アクレディテーション委員会 ソフトウェアエンジニアリング分科会 第1回議事録 1999年9月17日 14:00-17:00 場所:情報処理学会会議室 出席者:松本(大阪工大),木村(日立),沢田(京大),吉村(管理工学研究所), 岡本(三菱総研),河尻(電通国際情報サービス),三木(JUAS),鍛治(JIPDEC), 大岩(慶大),大力(新日鉄),小林(東芝),上原(富士通),玉井(東大), 柳川(情報処理学会) 配付資料: No.99-1-1 開催通知 No.99-1-2 アクレディテーション委員会名簿 No.99-1-3 ソフトウェアエンジニアリング分科会名簿(案) No.99-1-4 情報処理学会アクレディテーション委員会活動の中間報告と提案 (高橋延匡) No.99-1-5 大学学部の技術者教育プログラム認定(松本吉弘) No.99-1-6 日本技術者教育認定制度(JABEE) No.99-1-7 Software Engineering Coordinating Committee No.99-1-8 SWECC Master Plan NO.99-1-9 1999 Plan for the Software Engineering Education Project No.99-1-10 活動方針(案) No.99-1-11 論点(幹事) 1.本分科会形成の経緯 アクレディテーションの趣旨は大学の序列化ではなく,最低レベルを確保でき るかどうかがポイント.米国では厳しい条件を課し,また評価の仕方も周到で 手間をかける.現状では日本の大学はどこも通らないのではないか.視察した ケースでは,審査委員4人の内,3人が企業所属.6年経つとまた審査.(大岩) IEEEのCS委員長が昨年10月,情報処理学会にSE分野でのアクレディテーション の共同作業を呼びかけ.今年3月Tripp会長が早稲田での大会に来日,講演. SEに関しては,米国もアクレディテーションが確立しているわけではなく,現 在作業中. CSの場合,アクレディテーションにはエンジニアリングの系統と科学の系統の ものとがある. また,ISのアクレディテーションも検討しており,SEとISとのすみわけも考え る必要がある. 2.委員の紹介 3.分科会委員長,幹事の選出 4.我が国での技術者教育認定へ向けての動向 [日本社会における SE 教育について自由討論] ・企業側からの視点  開発現場は学生に人気がない   優秀な人材の流れ:研究所→大学 -- アカデミックに閉じている ・企業としてどのような教育レベルを求めているのか  企業が人材に求める知識を明確すべきである. ・実務レベルと理論レベルの知識の違い  大学で習得する知識と実務《アプリケーション》での知識が乖離  大学での知識が役に立っていない状況 ・重厚長大産業が衰退したときに日本の武器は?  ソフトウェアで勝負できるのかどうか,疑問.  情報系学部の卒業生の専門レベルは,他の学科の卒業生と区別できない.  今のソフト産業が立ち行けるのは周りのレベルが低いからで,  いずれ破綻する.  ソフトウェアエンジニアリング産業を日本が今後どう位置づけるの  かをはっきりさせる必要がある.産業・大学の役割分担はその後に決めれば良 い ・ソフトウェアはあらゆる分野で作られる.  つまり,ドメイン知識に関するファクターが大きい  ソフトウェアプロパーの知識・技術が認知されているのか? ・企業から大学に期待する知識  情報関係学部の卒業生:他よりは強いバックグラウンドをもつと認識  大学で教えられる範囲:非常に狭い.一方で,深い知識まで期待できない.  企業では,個別の技術(部門に特化した)教育・認定... OJT  企業に足りないもの... 新しい技術を教育するしくみ  大学には広い視野を持たせるような教育を求める   基礎的な理論:計算理論,アルゴリズム論などは有用  新しい技術に順応できる人材  大規模システム開発に必要なものは専門知識だけでなく  コミュニケーション技術,人間性 ・企業の危機感として標準的な技術に対応できないという点がある  デファクトスタンダード,新しい技術に順応する技術  (現場の流儀で閉じている) ・専門知識を習得したことによる見返りを  日本ではペイが横並び  学ぶ側のモチベーションが生まれない   能力の認定→相応の報酬 というシステムが産業側に必要    逆にそのようなシステムが確立できれば大学教育への期待が    明確になるはず. ・情報システム・業務システムのインフラの変化  古いシステムの作り方が変わっていく.  新しい技術をもつ人材が活躍できる機会が日本のSE産業でも増え,  旧来からのシステムも変化するはず. 5.ソフトウェアエンジニアリングにおけるアクレディテーションに関する IEEEの進行状況 6.本分科会の活動方針 資料(No.99-1-10)に沿って松本委員長が説明.それに対し,次のような質問や コメントがあった.継続して審議することとなった. ・norm は 相対評価 を示す言葉であり,この場合には criteria が適当  産業界に対する performance は絶対値で示すべき ・BOKには基礎的な部分(数学,論理,統計,など)は入らないのか.  計算機科学(CS)の教育を SE のアクレディテーションとどう絡めるのか?   SE の前提となる知識習得を議論するのもこの WG の議題  学部レベルの教育では CS とオーバーラップする部分が大きい ・日本はプログラミング/プログラマを低く見る傾向があり,それが問題であ る.  プログラムが得意な人が評価されるようなシステムが望ましい.  プログラムを書くスキルに対して大きな評価を与えていないのが実情.   自分で設計して自分で作る人が欧米の技術者には多い  実装工程を行う人材の扱いが低い.   プロジェクト管理ができる人材が求められる   プログラムを書く人間を教育することによる付加価値に疑問が持たれてい る.  日本で言う実装=コーディング(外注)   設計も含めたプログラミングが行える能力+要求の分析能力が必要 ・事務処理系と埋め込み系は求められるスキルが違う.  システム構築の技術 --- 企業が教えている事柄が大学教育に適合するのか?  事務系・大規模系などのドメインで求められている資質が違う ・企業は学生が大学で受けた教育内容を評価しない.  各要素技術やツールを自分で習得できる能力をつけるのが大学の役割.  プログラムを構成して,プロジェクト管理に発展できる技術をつけるのが大学 教育.  アルゴリズム・データ構造などソフトウェアの基本知識に基づいて,創造性を 発揮できる人材の育成が要請される. ・基礎的なソフトウェア技術がないと,創造的なソフトウェアは作れない.  ソフトウェアエンジニアリングの効果   大規模システムにおける性能問題が起きたときに有効   待ち行列理論の実践やシステムのモデリング能力が有用  スーパープログラマ = 設計ができる,プログラムも一流   このような人材が率いるプロジェクトは機動力を持つ.   アルゴリズム,データ構造... などの知識をきっちり+プログラミング能力  ソフト技術の軽視=インテグレーション重視   ソフト産業の空洞化につながる ・大学の教育体制改革は非常に困難  まじめな教育者を評価するシステムが必要  企業から教育部隊を派遣するなども有効 7.本分科会の活動計画 資料No.99-1-11について意見を交換した.ISSS/SWECCの作成したガイドライン をそのまま翻訳してはどうか,という提案があった.継続して審議することとな った. 8.次回は1999年10月26日(火)14:00〜17:00とした.