情報処理学会・アクレディテーション委員会
ソフトウェアエンジニアリング分科会
情報処理学会・アクレディテーション委員会・ソフトウェアエンジニアリング分科会では、日本技術者教育認定機構(JABEE: http://www.jabee.org/)が定める認定に基づいた、大学学部等の情報分野におけるソフトウェアエンジニアリング教育プログラムの分野別認定基準、認定方法に関する推奨案について検討し、情報処理学会・情報処理教育委員会、アクレディテーション委員会へ答申します。
1.アクレディテーションとは(以下、JABEEのホームページから抜粋)
日本技術者教育認定とは、大学学部等における教育プログラム(プログラムとは、学部、学科のような組織ではなく、コースのような概念)を専門認定する制度のことであります。大学学部等が、認定を受けたいときは、前掲のJABEEに申請書を提出し、自己点検書などについて審査を受けた上、さらに実地審査を受けます。審査結果に基づいて必要な改善、助言の反映が行われ、JABEE理事会の承認が得られたとき、認定が得られます。認定を得た教育プログラムの国際的同等性の保証を得たいときは、JABEEを経由してワシントン協定に基づく評価を受ける必要があります。
2.他の評価制度との違いについて
従来から大学基準協会などでは、大学学部教育の自己評価、相互評価が行われています。平成12年度には、「大学評価機関(仮称)」の創設が予定されています。また、いくつかの技術分野では、技術者資格制度が存在します。これらとJABEE認定制度との違いについて、JABEEはつぎのように説明しています。
a.JABEEの目的は、「社会が求める要件を備えた専門職としての技術者を育成する教育プログラムを評価・認定する制度」である。大学の評価制度は、当然のことながら「技術者」以外に進む人材も含めて教育をする組織体を対象とするが、JABEEは、「新しい技術者」を志す人材を教育するプログラム(学校組織ではない)を対象としている。
b.技術者認定制度の受験資格とJABEEの認定との関連は、中長期の問題である。将来、JABEEの認定制度が、技術者認定制度の学歴条件として活用されることを目指すのは当然である。
従来の技術者教育でいう「技術者」と、JABEEが教育の対象とする「新しい技術者」とのとの相違がどこにあるか、について、JABEEはホームページのなかで、つぎのように述べています。「新しい技術者は、単なる技術進歩の推進者であるのみならず、その成果が人類・社会が及ぼす影響についても強い責任をもつ自律的な行動者である」。「新しい技術者」という概念を、専門分野ごとにどのように展開し、発展させていくかが問題となります。当ソフトウェアエンジニアリング分科会においても、JABEEのいう「社会が求める要件を備えた専門職としての技術者」とはなにか、「新しい技術者」とはどのようなものか、について明確なイメージを形成する必要があります。
3.ソフトウェアエンジニアリング・アクレディテーションに関するIEEEからのよびかけ
ソフトウェアエンジニアリング分野のアクレディテーションのみに関しては、IEEE/SWECC (http://computer.org/tab/swecc/) から、共同で認定基準の策定を行おうというよびかけがあり、情報処理学会理事会で、このよびかけに応えることが承認されました。当該ソフトウェアエンジニアリング分科会は、この理事会の決定に基づいて、我が国のソフトウェアエンジニアリング(ソフトウェア専門技術業)を、国際的専門職業として育てるための一環として、大学学部等でのソフトウェアエンジニアリング教育プログラムに関して、JABEEの認定を受けるためのガイドラインを策定する作業を行います。このガイドライン策定は、IEEE/SWECCと連携しながら実施する予定です。これによって、ソフトウェアエンジニアリング教育プログラムが、ワシントン協定による国際的同等性の保証を得る活動を促進したいと考えます。
4.ソフトウェアエンジニアリング分科会が求める「新しい技術者」
一般に、職業は、(1)人類の利益と安全に貢献する、(2)活動が普遍的学理に基づいている、(3)その貢献が、ある規模を越えるコミュニティでのなかで、明白に認められるとき、専門職業(professional)とされます。倫理要綱(code of ethics)に従い、ある水準を越えるキャリアを重ねた専門職業技術者は、専門職業人(professionalプロフェッショナル)とよばれます(ただし、ここでは、とくに資格(license)には関連付けていません)。当分科会がもとめる「新しい技術者」は、以上の要件を満たす専門職業人であります。当分科会が大学学部等で目指す教育プログラムは、将来、ソフトウェアエンジニアリング分野において、専門職業人とよばれるための基礎を育成するためのものであります。