情報処理学会第74回全国大会 会期:2012年3月6日(火)~8日(木) 会場:名古屋工業大学 一般社団法人情報処理学会 第74回全国大会 会期:2012年3月6日(火)~8日(木) 会場:名古屋工業大学
産業界からの学会活動活性化に向けて
~コンシューマ・デバイス&システム研究会の取り組みと期待される今後の活動~

日時:3月8日(木)9:30-12:00
会場:第3イベント会場 (52・53号館 1F 5112)

【セッション概要】2011年4月に発足したコンシューマ・デバイス&システム(CDS)研究会は、産業界の研究者、システム開発者が密接に関係するコンシューマ向けデバイス、システム、サービスなどの幅広い研究分野を対象としており産業界からの積極的な参加による学会活動の活性化に向けた取り組みが期待されている。本シンポジウムは、
(1)本研究会設立の背景、本研究会の活動方針、本研究会と密接に関連するCDSトランザクションの編集方針に関する基調講演
(2) 災害対策、スマートグリッド、ソーシャルメディアなどを中心に、産業 界、大学などにおけるコンシューマ向けデバイス、システム、サービスに関連する研究開発動向及び、IEEE Consumer Electronics (CE) SocietyからのCDS研究会への期待に関する招待講演
などから構成する予定である。

司会:峰野 博史 (静岡大学 情報学部 准教授)
【略歴】1999年静岡大学大学院理工学研究科修士課程修了。同年日本電信電話(株)入社。NTT サービスインテグレーション基盤研究所を経て、2002 年10 月より静岡大学情報学部助手。2006 年九州大学大学院システム情報科学府博士(工学)。2011 年4月より静岡大学情報学部准教授。センサネットワーク応用システム、コンシューマシステムに関する研究に従事。電子情報通信学会、IEEE、ACM 各会員。
9:30-10:05 基調講演 CDS研究会設立の背景と今後の活動方針
石川 憲洋 (駒澤大学 グローバル・メディア・スタディーズ学部 教授)
【講演概要】コンシューマ・デバイス&サービスの分野では、これまで日本がリードしていたが、近年、急速に普及が進んでいるスマートフォン、タブレット端末、ソーシャルメディアなどの分野では、米国などに主導権を握られつつある。
 このような背景のもとに、コンシューマ・デバイス関連の研究と、サービスとして具現化するシステム開発を組み合わせた情報交換の場を設けることで、新しい産学連携の活性化を図り、コンシューマ・デバイス&システム(CDS)に関するデファクト化、標準化活動含め、産学問わず幅広い研究者・技術者の相互情報交換の場を提供する目的で、2010年4月に本研究会を設立した。
 本研究会の今後の活動方針及び同時に発行したCDSトランザクションの編集方針について述べる。
【略歴】1980年京都大学大学院工学研究科修士課程修了。同年日本電信電話公社(現NTT)入社。1999年NTTドコモ入社。2010年4月より駒澤大学グローバル・メディア・スタディーズ学部教授。博士(情報学)。モバイルインターネット、ユビキタスコンピューティングなどの研究に従事。情報処理学会業績賞などを受賞。電子情報通信学会、IEEE各会員。
 
10:05-10:40 講演-1 災害に強いグリーン指向ネットワーク
白鳥 則郎 (東北大学 電気通信研究所 客員教授・名誉教授)
【講演概要】21世紀の科学技術は「地球環境」の変化、「社会構造」の変化、「高齢化社会」への変化といかに向き合うかが問われている。本講演では、特に、地球環境の変化について、災害とグリーン化への対応を中心に常時と災害時の双方において効果的に機能する情報システムのフレームワークを提案する。具体的には、調和/共生の考え方に基づいて「災害に強いネバー・ダイ・ネットワーク」と「グリーン指向情報システム」などについて、推進中の研究プロジェクトを紹介しながら議論する。さらに、上述の変化の吸収へ向けた今後の情報システムに期待されるパラダイムの要件についても言及する。
【略歴】1977年東北大学博士課程修了。1990年同大学工学部教授を経て1993年同大学電気通信研究所教授。2010年東北大学名誉教授、同大学電気通信研究所客員教授。ITに基づいた人と自然の調和/共生などの研究に従事。IEEEフェロー、文部科学大臣表彰「研究部門」、情報処理学会功績賞、電子情報通信学会功績賞など受賞。情報処理学会会長(2009年~2011年)。IEEE 仙台セクションChair (2010-2011)。
 
10:40-11:15 講演-2 IEEE Consumer Electronics SocietyからのCDS研究会への期待
長谷 智弘 (龍谷大学 理工学部 情報メディア学科 教授)
【講演概要】先ず、IEEE Consumer Electronics Societyの最近の活動について紹介する。次に、本年から新たに開催する情報家電技術に関するIEEE主催の国際会議であるGlobal Conference on Consumer Electronics (GCCE2012)について紹介する。最後に、IEEE Consumer Electronics Societyからの情報処理学会CDS研究会への期待
することについて述べる。
【略歴】1979年静岡大大学院工学研究科電子工学専攻・修士課程修了。同年三菱電機に入社。工学博士。技術士(総合技術管理部門、応用理学部門)。2002年4月より龍谷大学理工学部電子情報学科教授。2003年4月より情報メディア学科教授。IEEE ISCE2009のGeneral Chair。2011年よりIEEE Consumer Electronics SocietyのVice Presidentに就任。2012年10月にIEEE GCCE2012を創設し、General Chairに就任。
 
11:15-11:50 講演-3 ホームITシステムの現状と将来
一色 正男 (神奈川工科大学 創造工学部 教授 / 慶應義塾大学 政策・メディア研究科 特任教授)
【講演概要】東芝が世界最初にIPベースのホームITシステムを市場投入してから約10年たった。本講演では、その間に経験したことをベースに、インターネットの拡大、Webサービスの発展の中で、サービスの拡大普及が望まれている現状について述べる。省エネルギーへの貢献の期待も強まっている中、政府での取り組みも含め、グローバルな市場への展開も視野に入れて、現状の課題と将来への期待について述べ、今後10年の展望を共有したい。
【略歴】株式会社東芝で約30年、新規技術開発と新規事業開発などに従事。特に、インターネット及びWeb活用事業について、世界初のホームITシス テム「フェミニティシリーズ」の事業責任者として、企画から立ち上げを担当。2009年1月より、慶應義塾大学教授として、国際規格W3C(World Wide Web Consortium)のSite Managerに就任。2011年より神奈川工科大学教授。W3C運営委員。情報処理学会会員、同CDS研究会幹事。機械学会会員、ECHONETコンソーシアム2008運営委員長、現フェロー。
 
11:50-12:00 全体質疑