情報処理学会第74回全国大会 会期:2012年3月6日(火)~8日(木) 会場:名古屋工業大学 一般社団法人情報処理学会 第74回全国大会 会期:2012年3月6日(火)~8日(木) 会場:名古屋工業大学
コンピュータ将棋はまだ止まらない

日時:3月7日(水)15:30-17:30
会場:第2イベント会場 (52・53号館 1F 5211)

【セッション概要】コンピュータ将棋はあから2010が清水市代女流王将に2010年に勝利してからもさらに強くなり続けている。このプロジェクトはもともとトッププロ棋士に勝つことを目標として始まったものであるが、その目標の達成にもう一歩のところまできている。ここでは現在どこまで強くなったのか、トッププロ棋士に勝つためには何が必要なのか、さらにはもうすぐ来ると思われる「人間よりコンピュータの方が将棋が強い時代」にコンピュータ将棋が何をすべきかについて専門家を交えて議論したい。

司会:松原 仁 (公立はこだて未来大学 システム情報科学部 情報アーキテクチャ学科 教授)
【略歴】1986年東大大学院工学系研究科情報工学専攻博士課程修了。同年通産省工技院電子技術総合研究所(現産業技術総合研究所)入所。2000年公立はこだて未来大学教授。現在に至る。ゲーム情報学、エンタテインメントコンピューティング、観光情報学などに興味を持つ。本会トッププロ棋士に勝つコンピュータ将棋委員会副委員長。将棋はアマ5段。
15:30-15:35 オープニング
松原 仁 (公立はこだて未来大学 システム情報科学部 情報アーキテクチャ学科 教授)
【略歴】1986年東大大学院工学系研究科情報工学専攻博士課程修了。同年通産省工技院電子技術総合研究所(現産業技術総合研究所)入所。2000年公立はこだて未来大学教授。現在に至る。ゲーム情報学、エンタテインメントコンピューティング、観光情報学などに興味を持つ。本会トッププロ棋士に勝つコンピュータ将棋委員会副委員長。将棋はアマ5段。
 
15:35-15:55 講演-1 コンピュータ将棋の近年の動向
伊藤 毅志 (電気通信大学 情報理工学研究科 助教)
【講演概要】本講演では、まず、コンピュータ将棋の略歴を紹介する。特にBonanza出現によりコンピュータ将棋にもたらされた2つの大きな新技術(全幅探索と評価関数の機械学習)と、それを元に進化するコンピュータ将棋の近年の動向を説明する。そして、2010年のあからの対戦から、2011年のコンピュータ将棋とアマチュアトップとの対戦、さらには、2012年1月に行われた米長邦雄永世棋聖VSボンクラーズとの対戦とその結果について紹介し、コンピュータ将棋の現状について概説する。
【略歴】1994年名古屋大大学大学院工学研究科情報工学専攻修了。工学博士。同年より、電気通信大学情報工学科助手。2007年より、同助教。2010年より、電気通信大学情報理工学研究科助教。人間の思考過程、学習過程に関する認知科学的研究に従事。著書に『先を読む頭脳』(新潮社、共著)ほか。コンピュータ将棋協会理事。
 
15:55-16:15 講演-2 人間はコンピュータとどこまで戦えるか
古作 登 (大阪商業大学 アミューズメント産業研究所 主任研究員)
【講演概要】2011年、「将棋倶楽部24」のレーティングで強豪コンピュータソフトが人間の持つ最高点数の記録を次々と塗り替え、早指しでは若手プロをも超える驚異的な強さが明らかになった。2005年アマ竜王戦全国大会に「激指」が特別参加した「人間にコンピュータが挑む」という時代から6年、今まさに「人間がコンピュータに挑む」という時代に変わろうとしている。人間の視点からコンピュータ将棋と人間それぞれの強みと弱みを挙げ、長時間での対局なら本当に人間もまだ戦えるのかといった疑問や、トップ棋士を超える条件と時期などについて述べる。
【略歴】1963年生まれ、早稲田大学教育学部教育学科教育心理学専修卒業。大学在学中日本将棋連盟奨励会に1級で入会し三段まで進む。奨励会退会後毎日コミュニケーションズ(現・マイナビ)で『週刊将棋』編集長、囲碁書籍編集長を歴任、NHKBS2「囲碁・将棋ウィークリー」司会を務めた。2008年大阪商業大学アミューズメント産業研究所研究員、2011年より同研究所主任研究員。著書に『よくわかる将棋入門』(小学館)。
 
16:15-16:35 講演-3 コンピュータ将棋の不思議
篠田 正人 (奈良女子大学 理学部 准教授)
【講演概要】コンピュータ将棋は近年急速に強くなり、今やトッププロ棋士とどちらが強いかが議論されるレベルに達している。しかし現状ではまだコンピュータVS棋士の直接対局が少なく、また棋譜を見てもコンピュータの指す将棋はプロ棋士の将棋とは異質のものであるため強弱の比較が難しい。本講演ではコンピュータ将棋ならではの指し手の特徴・長所・短所を分析し、コンピュータ将棋にもプログラムごとの個性があることを述べ、今後より一層強くなるための課題点を挙げる。さらに、人間が強弱に関わらずコンピュータ将棋を楽しむためのいくつかの提案を述べる。
【略歴】1992年東京大学理学部数学科卒、1994年東京大学大学院数理科学研究科修士課程修了。同年より奈良女子大学理学部助手、現在同大学理学部(数学科)准教授。専門は確率論。2009年より情報処理学会ゲーム情報学研究会運営委員。将棋では1991年に学生十傑戦で優勝、1999年にアマチュア竜王戦全国大会で優勝している。
 
16:35-17:30 パネル討論
司会: 松原 仁 (公立はこだて未来大学 システム情報科学部 情報アーキテクチャ学科 教授)
【略歴】1986年東大大学院工学系研究科情報工学専攻博士課程修了。同年通産省工技院電子技術総合研究所(現産業技術総合研究所)入所。2000年公立はこだて未来大学教授。現在に至る。ゲーム情報学、エンタテインメントコンピューティング、観光情報学などに興味を持つ。本会トッププロ棋士に勝つコンピュータ将棋委員会副委員長。将棋はアマ5段。
パネリスト:伊藤 毅志 (電気通信大学 情報理工学研究科 助教)
【略歴】1994年名古屋大学大学院工学研究科情報工学専攻修了。工学博士。同年より、電気通信大学情報工学科助手。2007年より、同助教。2010年より、電気通信大学情報理工学研究科助教。人間の思考過程、学習過程に関する認知科学的研究に従事。著書に『先を読む頭脳』(新潮社、共著)ほか。コンピュータ将棋協会理事。
パネリスト:古作 登(大阪商業大学 アミューズメント産業研究所 主任研究員)
【略歴】1963年生まれ、早稲田大学教育学部教育学科教育心理学専修卒業。大学在学中日本将棋連盟奨励会に1級で入会し三段まで進む。奨励会退会後毎日コミュニケーションズ(現・マイナビ)で『週刊将棋』編集長、囲碁書籍編集長を歴任、NHKBS2「囲碁・将棋ウィークリー」司会を務めた。2008年大阪商業大学アミューズメント産業研究所研究員、2011年より同研究所主任研究員。著書に『よくわかる将棋入門』(小学館)。
パネリスト:篠田 正人(奈良女子大学 理学部 准教授)
【略歴】1992年東京大学理学部数学科卒、1994年東京大学大学院数理科学研究科修士課程修了。同年より奈良女子大学理学部助手、現在同大学理学部(数学科)准教授。専門は確率論。2009年より情報処理学会ゲーム情報学研究会運営委員。将棋では1991年に学生十傑戦で優勝、1999年にアマチュア竜王戦全国大会で優勝している。