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動的環境下の繰り返しゲーム系における価値観の進化
○佐々木佑樹,鈴木麗璽,有田隆也(名大)
様々な協調/競合的人間関係における意思決定の数理的研究のために
ゲーム理論は使われてきたが,多くの場合,固定した利得行列を前提
としてきた.ヒトは,多様な環境の中で,普遍的な価値観を進化
させてきたとの見解に基づき,利得行列によらないメタな戦略(主義)
を定義した上で,各主義に対する重みのセット(価値観)を各個体
にもたせ,その重みを進化させる実験を動的な利得行列を用いて行った.
その結果,自己利得期待値が最大の行動を選択する利己的な主義の重みが
最も大きくなるが,環境変化率が高くなるほど,対戦個体の利得和が
最大の行動を選択する功利的主義の重みが大きくなる傾向もあり,
多様な動的環境で社会的行動が獲得される可能性を示唆している.