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エピジェネティックな因子の個体間伝達と遺伝子進化の共進化モデル
○三輪祥之,鈴木麗璽,有田隆也(名大)
近年,DNA の配列変化を伴わずに細胞間や個体間で伝達される
遺伝子機能の変化機構であるエピジェネティクスの研究が盛ん
である.本研究では,エピジェネティックな変化の個体間での
遺伝を,変異率の高いエピ遺伝子の伝達とみなし,カウフマン
のNK適応度地形を拡張した遺伝子とエピ遺伝子の共進化モデル
を構築して,両遺伝子間の相互作用の強さの影響や,動的環境
における共進化系の役割について論ずる.周期的変動環境を用
いた実験の結果,共進化系は,変異率の低い遺伝子により各環
境での適応形質を保持して環境変化による適応性低下を抑えつ
つも,変異率の高いエピ遺伝子の進化により現環境へ素早く適
応できる可能性が示唆された.