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認知文法に基づくオブジェクト指向の理解
○世古龍郎,金田重郎(同志社大)
本稿では,認知文法の基本的な考え方を準用して,オブジェクト指向理解の背後に,日本語と英語の言語差が存在し,クラス図を作成は日英翻訳と同じであることを主張する.具体的には,クラス図は,英語の第1文型~第5文型にそのまま対応している.従って,動詞中心であり,「格」を自由に助詞によって指定できる日本語を,そのままクラス図にあてはめるのは,容易ではない.その問題に対し,認知言語のコアイメージによるクラス図生成を試みる.日本語による仕様書記述中に含まれる因果関係を取り出す作業が必要と思われる.言葉の持つ「意味」を日本語と英語で一致させる事で,オブジェクト指向の本質の理解を高める事を述べる.