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IPv6経路制御ヘッダを利用したマルチパス通信の実装ー経路競合を考慮した優先制御ー
○可児友邦,田中昌二,原山美知子(岐阜大)
インターネットで用いられるIP通信では, 通信経路とし
て最適経路のみが用いられる. そのため, 経路上に輻輳
(混雑)が発生すると通信速度が著しく低下する. そこで,
本研究室では, 複数の経路を同時に用いるマルチパス通
信方式の研究を進めてきた.
これまでに2パスを用いる通信方式を実装し,主経路を
優先的に用いる送信方式の優位性を示した. また,各通
信路に対しスロースタート機構を導入し輻輳制御を行う
ようにした. 本研究の通信方式では通信路が部分的に同
じデータリンクを含むことを想定しているため,二つの
経路で同時に輻輳が検知されたとき,各経路で独立に輻
輳が発生している場合と同一データリンクで輻輳が発生
している(経路競合)場合がある. 本稿では,各々の状
況に応じて適切に制御するため,輻輳制御機構を改良し
たので報告する.