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音声によって表出する混合感情の主観評価と音響的特徴量からの推定
○松林一也,政倉祐子,大野澄雄(東京工科大)
本研究は音声に含まれる複数の純粋感情が結合した混合感情の
推定を行った。混合感情は純粋感情がいろいろな結合の仕方や
程度によって出来上がる。既存研究では1発話中に1つの感情
と仮定した認識が行われているが、人間の感情は一度に2つ以上
の感情が結合した状態で表出される場合がある。自然発話された
音声を用いて聴取実験を行い、人間の純粋感情が複数生起するこ
とを認識できる事を確認し、“平静”、“喜び”、“悲しみ”、
“怒り”、“恐れ”、“嫌悪”、“驚き”の各感情に対し聴取者
に主観評価を行った。複数の感情がどのように生起するかを見る
ため、評価値の傾向が近い音声ファイルをグループ化するため、
音声ファイルごとにWard法によるクラスター分析を行い、複数の
クラスターに分類し、音響的特徴量と評価値の関係を求めた。
評価値と音響的特徴量より、重回帰分析と決定木分析を用いて
混合感情の推定の検討を行った。