5G-4
被災地コミュニティをサポートするお茶の間テレビの開発
○伊藤史人(一橋大),今井啓二,仁科恵美子(ICT救助隊)
東日本大震災により,多くの住宅が揺れや津波で全壊した.そのため,住民たちは仮設住宅をはじめ,借り上げアパートやその他の住宅への転居を余儀なくされている.仮設住宅では,密接な地域のつながりが絶たれ,多くの住民が孤独な生活を強いられている。一方,各地の仮設住宅団地内には密集して各戸が配置されているため,過疎を原因とする孤独ではない.つまり,仮設住宅団地での孤独とはコミュニティーが絶たれたことによる孤独である.
仮設住宅各戸には,最低限の家電製品が設置されており,その中には地上デジタル対応のテレビも含まれている.本報告は,テレビとボイスチャットを利用して,各戸を音声でつなぐことにより仮想的にお茶の間を再現し,孤独感を和らげる仕組みを提案するものである.