4Q-5
認知科学的見地から見た徒歩移動時における定位情報保持の条件についての考察
○篠原信之,佐藤未来子,並木美太郎(農工大)
徒歩は人間の最も基本的な移動手段であるが、その経路選択に用いられる認知地図や認知上の定位について包括的なモデルを示した研究は少ない。特に経路選択上の役割から考え、特に知見が不足している分野の一つが認知の維持に関する条件であると思われる。本研究では、歩行時の包括的な認知モデルを示す事を目標とし、今回は経路認知の維持の条件に関しての考察を述べる。
 先行研究においては、交差点を右左折した回数を単位とした経路記憶保持の限界容量やその容量を減少させる要素の存在を示唆する報告がなされているが、本研究ではそれらを整理した上で要素毎に「迷いやすさ」を示す認知負荷の概念を加えて現実に則した記憶モデルの構築を試みる。