3Z-2
無線LAN APにおけるリアルタイム通信のための確率的データ廃棄方式の評価
○江本奈穂,木村成伴,海老原義彦(筑波大)
近年,携帯端末の普及に伴い,無線LAN(IEEE 802.11)においても
音声通話やストリーミングビデオなどのリアルタイム通信の品質を
保証することが重要な課題となっている.

そこで,著者らは,データ通信にTCPを用い,リアルタイム通信に
UDPを用いることを前提とし,これらの通信が混在する状況において,
ネットワークの混雑に応じてTCPセグメントを含むフレームを確率的に
廃棄し,リアルタイム通信のために帯域を確保する方式を提案したが,
その評価は十分ではなかった.

そこで本論文では,典型的なネットワーク環境において,
ネットワークシミュレーション実験を行い,従来のIEEE802.11を
用いた場合と,提案方式を用いた場合のTCP通信とUDP通信の
平均スループットを比較することで,提案方式の有効性を示す.