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制約充足による手書き変体仮名認識の構想
○新井侑太,鈴木徹也,相場 亮(芝浦工大)
本論文では制約充足による手書き変体仮名認識方法の構想について述べる。本研究は古文書翻刻支援を目的とする。従来の変体仮名認識方法には、画像の特徴量のみを用いて一文字毎に認識する方法やN グラムを用いて文字の組み合わせも考慮する方法が存在する。我々は、画像の特徴量と単語辞書を用いて、大域的に最適な認識結果を得る手法を提案する。認識の大まかな手順は、( 1 ) 文字認識、( 2 ) 文字認識結果からの制約充足問題生成、( 3 ) 制約解消、( 4 ) 制約解消結果の文字認識へのフィードバック( 5 ) 再文字認識の順である。最初の文字認識では画像特徴量を用いて一文字毎に可能な認識結果の候補を求める。その結果を利用して制約充足問題を作成する。その制約解消においては単語辞書を用いて大域的に最適な認識結果を得る。また、制約解消結果をもとに、文字認識結果の修正を図る。