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論文調査段階に応じた論文整理手法
○青木政人,林 佑樹,渡邉豊英(名大),小尻智子(関西大)
研究者が研究を開始する際,既存研究の把握は非常に重要である.
既存研究を把握するためには,各研究の内容がまとまって記述され
ている論文を読むことが有効である.論文はこれまでに非常に多く
存在し,次々と増えているため,研究者は継続的に論文を調査して
既存研究を知る必要がある.論文を調査していく際には,研究者が
注目する分野に関わる研究を見落としなく調査することが望ましい
.しかし,特定の内容に関わる研究のみを調査してしまい,見落と
しが生じてしまう場合がある.そこで,本研究では,調査した論文
を上手く整理する仕組みを提案し,整理した結果からさらなる調査
が必要な論文の特徴を明示する手法を提案する.提案手法は大きく
3段階のより構成される.まず,チェック表形式により,各論文の
調査結果を統一した形式で整理できるようにする(第1段階).次
に,論文整理の結果から,木構造を用いて調査した論文同士の関係
を表現する(第2段階).最後に,対応分析を用いて論文整理の結
果を解析し,木構造の結果を踏まえて見落とした可能性のある特徴
を明示する(第3段階).研究者が継続的に論文を調査していく過
程の支援を実現している.