2M-9
コンピュータの可能性を促進する基盤ソフトウェアの構造とは -数理演算を通して考えるノイマン型と人との異同-
○木下博之(慶大)
ノイマン型コンピュータと人との異同を、今回は数理演算を通して考察する。
ノイマン型において、数理演算は2進数を基軸として行われる。
また、扱うことのできる数値は、ハードウェアの処理可能ビット数に制約されることが常である。一方、人間は、時間はかかるものの、桁数の制約なく演算することができる。
しかしながら、この制約はソフトウェア上の配慮により回避することができる。
人間の数理演算の手法が通常は文字的操作により行われることに着目し、その操作を踏襲した動作をプログラムすることにより、演算桁数の制約をハードウェアの制約から解放することが可能となった。また、計算精度も向上した。
 このことは、ソフトウェアの可能性を示している。すなわち、今日ノイマン型の制約とされている問題の多くは、ソフトウェア上の配慮に回避されることが示唆されている。
 ノイマン型の構造についてのみならず、言語コンパイラ等の基盤ソフトウェアについてもさらなる省察がもとめられている。