1ZB-9
階層選択を用いた効率的な変形シミュレーション
○今井 星,シルバ パウロ,楽詠コウ(東大),陳 炳宇(国立台湾大),西田友是(東大)
有限要素法を用いた変形シミュレーションの研究は、これまでCG分野で多くなされている。従来法では物体を複数の要素(例えば四面体)に一様に分割するアプローチをとっていた。
しかし変形の少ない部分は、分割の解像度を下げても少ない誤差でシミュレーションできると考えられる。
提案法ではこの点に着目して、変形時に計算する要素の総数を減らすことで高速化を実現する。本手法では階層構造を用いたモデルを考案した。提案法では事前に複数の解像度で物体を分割し、それぞれの解像度を用いた場合の変形の様子を計算しておく。
またこれらの複数の解像度は互いに階層構造をなしている。
シミュレーション時は、変形計算に用いる階層を局所的に変えることで、全体としては最も細かい分割を用いた場合よりも、少ない計算量でシミュレーションすることができる。
さらに、シミュレーションの誤差が一定の誤差以内であるように階層を適切に選ぶ。