1S-3
関係調を考慮したHMMに基づく音響信号の自動和音認識と類似曲分類
○杉山雄一,酒向慎司,北村 正(名工大)
音楽コンテンツの多様化・大規模化に伴い,柔軟な楽曲検索の枠組みが
求められている.既存の楽曲検索として,楽曲に付与された情報を基にした
検索手法が一般的であるが,加えて楽曲の持つ音響的な特徴を解析し
利用することで,より柔軟な検索が可能になると考える.本稿では,
基礎的研究として,音響的な特徴を用いて楽曲間の類似性を評価する
手法を提案する.楽曲の大域的な特徴を表現する要素として和音進行に
着目し,確率モデルに基づき音響信号から和音進行を推定し,
楽曲間の和音進行を比較することで楽曲間の類似性を推定する.
その際,和音進行に関する音楽的知見として,和音間の関係性を表す
関係調の理論を考慮することで,人間の聴覚機能により特化した形での
推定を試みる.また主観評価実験により,本手法の有用性を示す.