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Flexible GMRES法の収束改善について
○沓掛拓朗,野寺 隆(慶大)
GMRES(m)法は大型で疎な非対称な係数行列を持つ連立1次方程式を解く反復法
のひとつである.しかし、リスタートの際に固有ベクトルの情報を一部失うた
め収束が悪くなることが分かっており、それを改善するためにDeflation技法
が使われる。この手法は、リスタート時に調和リッツベクトルをクリロフ部分
空間内に付加することで、GMRES(m)法の収束を改善するものである。
本発表では、調和リッツベクトルを用いる際にリッツ値の小さいものから選
択する代わりに、クラスタから離れたものを選択する。数値実験によりそれが
GMRES(m)法の収束改善に有効であることを示す。