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マルチパラメータによる修正不完全コレスキー分解の高速化
○中村貴稔,野寺 隆(慶大)
前処理行列としてよく用いられる修正不完全コレスキー分解は,通常,下三角行列Lの各行の非ゼロ要素は一定の個数で計算する.一方、マルチパラメータ付き修正不完全コレスキー分解は,下三角行列Lの各列の非ゼロ要素の個数を減少させるようなコントロールを行う手法である.これにより、下三角行列Lを前処理行列とする共役勾配法は,行列ベクトル演算の計算量を減らすことが可能となり,総計算時間を短縮することが可能となる.
本発表では,数値実験により,従来の修正不完全コレスキー分解とマルチパラメータ付き修正不完全コレスキー分解との比較を行い、適切なパラメータの設定方法などについて述べ,その有効性を示す.