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ALUカスケーディングと先行実行を併用するプロセッサ
○松村貴之,吉瀬謙二(東工大)
 プロセッサの高速化を妨げるメモリウォール問題を緩和するために、データキャッシュミスを起こした場合にその命令とは独立な後続命令を先行して処理していき、ロード命令に依存した命令を後で実行するという先行実行の手法が研究されている。この手法をスーパースカラプロセッサに適用する場合、依存関係によって複数ある演算器を効率的に利用できなくなり、先行実行の効果が小さくなる。
 本研究では、依存関係にある命令列を効率的に実行するための手法であるALUカスケーディングと先行実行を併用する手法を提案する。これによってロード命令に依存する命令を実行する場合に、効率的に演算器を用いることができる。シミュレーションにより本手法の有用性を明らかにする。