情報処理学会第73回全国大会 会期:2011年3月2日(水)~4日(金) 会場:東京工業大学大岡山キャンパス 情報処理学会 第73回全国大会ホームページ 社団法人情報処理学会 第73回全国大会 会期:2011年3月2日(水)~4日(金) 会場:東京工業大学 大岡山キャンパス
JGN2plus の成果とその後継プロジェクト

日時:3月2日(水)14:30-17:00
会場:第4イベント会場 (西5号館講義棟 4F W541)

【セッション概要】独立行政法人情報通信研究機構 (NICT) を中心として、2008年4月から3年間進められて来た研究開発テストベッドネットワークの一つであるJGN2plus では、産学官や地域等を連携し、新世代ネットワークへとつながる研究と、その実現に向けた関連技術の幅広い研究開発が進められてきた。本プログラムでは、JGN2plus における研究成果のいくつかを報告するとともに、次年度以降に計画されている後継プロジェクト(JGN-X) の進め方について紹介する。

司会:中山 雅哉 (東京大学 情報基盤センター 准教授 / (独)情報通信研究機構 招聘専門員)
【略歴】1989年東大工学系研究科情報工学専攻修了。同年豊技大知識情報工学系助手、1993年東大大型計算機センター助教授となり、現在、同大情報基盤センター准教授。博士(工学)。広域ネットワークにおける情報の分散アクセス方式に関する研究開発に従事。
14:30-14:55 講演-1 JGN2plus の成果概要
下條 真司 ((独)情報通信研究機構 上席研究員)
【講演概要】ネットワークテストベッドの意義と展望。破壊的な実験が可能なテストベッドこそがイノベーションをもたらす。JGNの果たしてきた意義を振り返りながら、新たなフェーズに向けた展望を語る。
【略歴】1981年3月大阪大学基礎工学部情報工学科卒業、1983年3月大阪大学大学院基礎工学研究科物理系専攻博士前期課程修了、1986年3月大阪大学大学院基礎工学研究科物理系専攻博士後期課程修了。1986年4月大阪大学基礎工学部助手、1989年2月大阪大学大型計算機センター講師、1991年4月大阪大学大型計算機センター助教授、1998年4月大阪大学大型計算機センター教授、2000年4月大阪大学サイバーメディアセンター応用システム研究部門教授。2008年独立行政法人情報通信研究機構 上席研究員兼、大手町ネットワーク研究統括センター長。
14:55-15:20 講演-2 センサ情報流通基盤の構築とその利用
中山 雅哉 (東京大学 情報基盤センター 准教授 / (独)情報通信研究機構 招聘専門員)
【講演概要】最近、多用なセンサがネットワークに接続されるようになり、社会生活などで利活用する方法について検討が進められる様になってきた。本講では、JGN2plus において進められてきたセンサ情報を流通させるための基盤技術について報告する。
【略歴】1989年東大工学系研究科情報工学専攻修了。同年豊技大知識情報工学系助手、1993年東大大型計算機センター助教授となり、現在、同大情報基盤センター准教授。博士(工学)。広域ネットワークにおける情報の分散アクセス方式に関する研究開発に従事。
15:20-15:45 講演-3 無線・有線融合ネットワーク技術
鶴 正人 (九州工業大学 情報工学研究院 教授 /(独)情報通信研究機構 招聘専門員)
【講演概要】DTN (Delay Tolerant Networking) 技術は、従来のインターネットでのエンドーツーエンド通信技術の枠を超えて、多種多様な有線網と無線網、さらには、交通網を活用した車や人の移動による情報運搬も組み合わせ、人・モノ対人・モノの膨大な情報交換・共有をコスト効率よく実現するために不可欠である。情報ロジスティックスとも呼べる、このような有無線融合ネットワーク基盤のための技術に関して、JGN2plusにおける研究開発の取り組みと、新世代ネットワークへ向けたJGN-Xへの展望を述べる。
【略歴】1985年沖電気工業。1990年長崎大学助手。2003年九州工業大学情報工学部助教授。2006年同学部部教授。2008年同大学大学院情報工学研究院教授。2010年より同大学情報科学センター長兼任。
15:45-16:10 講演-4 広域オーバーレイネットワーク基盤の構築とその利用
寺西 裕一 (大阪大学大学院 情報科学研究科 准教授 /(独)情報通信研究機構 招聘専門員)
【講演概要】JGN2plus の研究活動のひとつとして進めてきた、広域オーバレイネットワーク基盤の構築とその応用方法に関する取り組みを紹介する。広域に分散したセンサーやデータベースなどをユビキタスサービス・グリッドサービス等の各種アプリケーションにおいてスケーラブルに統合利用することを可能とするため、分散データフュージョン技術、構造化・適応的オーバーレイ技術に基づくネットワークサービスプラットフォーム基盤の検討をおこない、JGN2plus テストベッド上で実証・検証を進めている。本発表では、ショッピングモールで行なわれた実証実験や、大規模センサー可視化システムなどの応用事例をまじえた研究開発成果の紹介と、今後の展開について中心に述べる。
【略歴】1993 年大阪大学基礎工学部情報工学科卒業。1995 年同大学院基礎工学研究科博士前期課程修了。同年日本電信電話株式会社入社。2005 年大阪大学サイバーメディアセンター講師、2007 年同大学院情報科学研究科准教授、現在に至る。博士(工学)。マルチメディア情報システム、ユビキタス応用システムなどの研究開発に従事。
16:10-16:35 講演-5 仮想化ノードと JGN-X
中尾 彰宏 (東京大学 情報学環 准教授 /(独)情報通信研究機構 招聘専門員)
【講演概要】東京大学とNICTでは、ネットワーク仮想化の基盤技術とそのアプリケーションの研究開発を推進している。ネットワーク仮想化基盤技術は、広義のネットワークを、ネットワーク資源、コンピュータ資源、ストレージ資源などを全て含む通信のためのインフラと捉え、それらの資源を統合的に確保する(スライスする)基盤技術であり、新世代ネットワークを支える重要な技術として期待されている。本講演では、我々の推進する基盤技術プロジェクトのうち、CoreLab(ソフトウェアベース),VNode(ハードウェアベース),WiVi(無線ネットワーク仮想化)というプロジェクトについて紹介する。また、JGN-Xにおけるこれらのプロジェクトの期待と展望を議論する。
【略歴】1991年 東京大学理学部 物理学科 卒業。1993年 東京大学大学院 工学系研究科 情報工学専攻 修士修了。IBM Texas Austin研究所、IBM東京基礎研究所などを経て、米国・プリンストン大学大学院情報科学科にて修士号およびPh.D.取得。2005年 東京大学大学院 情報学環 准教授、2007年よりNICT客員研究員。
16:35-17:00 講演-6 JGN-X とネットワークオーケストレーション
山本 成一 (東京大学 生産技術研究所 助教 /(独)情報通信研究機構 招聘専門員)
【講演概要】JGN2plus は、独立行政法人 情報通信研究機構が運用する、産・学・官と連携し、地域・他国際機関等と協調した超高速・高機能研究開発用テストベッドネットワーク環境である。本テストベッドネットワークでは、JGN2plusの組織内プロジェクトによる直轄研究利用に加え、多くの一般ユーザによる研究開発利用がされてきた。これらのユーザが利用したサービスは,前プロジェクトであるJGN2からの提供サービスに加え、JGN2plusになってからの新規サービスとして、開発および試行を行ってきた仮想化ルータおよび仮想化ストレージサービスも含まれる。本稿では、JGN2plus ネットワーク運用の総括として、これらのサービス開発課程の紹介、活用事例紹介の他、JGN-X で展開予定である新規サービスについての紹介を行う 。
【略歴】2006年12月 東京東大大学大学院情報理工学系研究科 博士(情報理工)取得。2006年10月より同大学総括プロジェクト機構JR東海寄付研究部門。IPマルチキャスト環境におけるトラフィックエンジニアリング技術の研究に従事。2008年9月より、東大生産技術研究所 助教。2008年4月より、JGN2plus ネットワーク運用センター 短時間研究員(2010年4月からは招聘専門員)を兼務。テストベッドネットワークにおける運用技術、仮想化技術を用いたテストベッドネットワークサービス構築に興味をもつ。