情報処理学会第73回全国大会 会期:2011年3月2日(水)~4日(金) 会場:東京工業大学大岡山キャンパス 情報処理学会 第73回全国大会ホームページ 社団法人情報処理学会 第73回全国大会 会期:2011年3月2日(水)~4日(金) 会場:東京工業大学 大岡山キャンパス
プライバシー保護データマイニング

日時:3月3日(木)15:30-17:30
会場:第1イベント会場 (70周年記念講堂)

【セッション概要】インターネットには情報が溢れているが、実はインターネットに公開されない組織内情報を統合してデータマイニングを行えれば、企業活動や社会生活に役立つ情報が得られる。たとえば、複数の医療機関の情報を総合してデータマイニングすれば、伝染病患者の発生源の特定などクリティカルな情報が得られる。しかし、企業の機密保持、個人情報保護などによって、このような複数組織に渡るマイニングはできない。そこで、組織内の情報を外へ漏らすことなく、データマイニングの結果だけを複数組織で共有できるプライバシー保護データマイニングが注目されている。この企画では、技術の現状に関する基調講演に続いてパネルディスカッションを行い、この分野の可能性、課題などについて探っていく。

司会:中川 裕志 (東京大学 情報基盤センター 教授)
【略歴】1975年東京大学工学部卒業。1980年東京大学大学院博士課程修了。工学博士。1975年より1999年まで横浜国立大学工学部電子情報工学科(教授)。1999年より東京大学情報基盤センター教授。2006年-2009年本学会自然言語処理研究会(NL)主査。統計的機械学習、自然言語処理の研究を行っている。
15:30-16:20 講演 秘密情報が埋め込まれたネットワーク構造情報の機械学習
佐久間 淳 (筑波大学 システム情報工学研究科 准教授)
【講演概要】ソーシャルネットワークサービスの発展に象徴されるように、人間同士の交流・経済関係や人間とサービスとの関係など、個人の生活に密接に関係したネットワーク構造情報が蓄積されつつあります。詳細度の高い個人情報は悪用を防ぐための慎重な取り扱いを要しますが、私たちの生活を支援する画期的なサービスを生み出す源泉ともなります。本研究では、ネットワーク構造に埋め込まれた秘密情報の保護と活用を両立させる機械学習について紹介します。
【略歴】2003年東京工業大学大学院総合理工学研究科知能システム科学専攻博士後期課程修了。 博士(工学)。 同年4月日本アイ・ビー・エム株式会社入社、 東京基礎研究所に配属。 2004年7月、 東京工業大学総合理工学研究科助手、 2007年4月同助教、 2009年4月、 筑波大学システム情報工学研究科コンピュータサイエンス専攻准教授、 2009年10月、 科学技術振興事業団さきがけ研究員(知の共生と情報社会)兼任、 現在に至る。 機械学習と知識発見、 セキュリティとプライバシの研究に従事。
16:30-17:30 パネル討論 プライバシー保護データマイニングの方向性と将来性
司会:中川 裕志 (東京大学 情報基盤センター 教授)
【略歴】1975年東京大学工学部卒業。1980年東京大学大学院博士課程修了。工学博士。1975年より1999年まで横浜国立大学工学部電子情報工学科(教授)。1999年より東京大学情報基盤センター教授。2006年-2009年本学会自然言語処理研究会(NL)主査。統計的機械学習、自然言語処理の研究を行っている。
パネリスト:神嶌 敏弘 ((独)産業技術総合研究所 ヒューマンライフテクノロジー研究部門 情報数理グループ 主任研究員)
【略歴】1992年京都大学情報工学科卒業。1994年同大学院修士課程終了。同年電子技術総合研究所入所。2001年博士(情報学)。同年電子技術総合研究所は産業技術総合研究所へ再編。機械学習やデータマイニング、特にクラスタリング、順序変量、転移学習、推薦システムに関する研究に従事。
パネリスト:高崎 晴夫 ((株)KDDI総研 取締役 主席研究員)
【略歴】1980年3月東北大学法学部卒 同年4月KDDI(旧KDD)入社。事業部を経て、2005年12月より現職。経産省の情報大航海プロジェクトでパーソナル情報の二次利用に関する消費者受容性に関する調査を担当。職務の傍ら、九州大学経済学府博士後期課程に所属し、ミクロ経済学及び情報経済学を研究中。学習院大学経済学部非常勤講師 玉川大学非常勤講師就任のほか、情報通信学会事業企画委員会委員(H22.9~)、次世代パーソナルサービス推進コンソーシャム、次世代ネットワーク推進フォーラムのWGメンバーに所属。
パネリスト:山口 利恵 ((独)産業技術総合研究所 情報研究セキュリティセンター 研究員)
【略歴】2003年 津田塾大学理学研究科数学専攻修士課程修了、2006年 東京大学大学院情報理工学系研究科博士後期課程修了 博士(情報理工学)、2006年4月より独立行政法人 産業技術総合研究所 情報セキュリティ研究センター研究員、2007年11月より内閣官房情報セキュリティセンター員 兼務 情報セキュリティ一般の研究を行う。特に、プライバシーに関して研究を行っている。
パネリスト:菊池 浩明 (東海大学 情報通信学部 教授)
【略歴】1990明治大博士前期課程修了。1990 富士通研究所勤務。1994 東海大学工学部 電気工学科助手、 2008 同情報通信学部 通信ネットワーク工学科 教授。2009より本学会コンピュータセキュリティ研究会(CSEC) 主査。2010 情報処理学会JIP Outstanding Paper Award。電子情報通信学会、日本知能情報ファジィ学会、IEEE, ACM各会員。情報処理学会フェロー.