情報処理学会 第73回全国大会講演要旨

観光においてリピータを増やすことは、観光地にとっては重要である。観光客に
「もう一度来よう」と思わせるには、①よかったから、②見逃したから、の2種類
がある。この内、後者の場合は、「くやしい」という感情に基づく。くやしさに
よる再訪問要求は、心理学的には「ツァイガルニク効果」と呼ばれ、未完で終わら
せた事に対する記憶は完了した事に対する記憶よりも良いという心理に基づく。本
研究では、散策観光を行う人を対象として写真を用いて観光地に誘導する際、その
人が興味を持ちそうなイベントなどを、あえて時期(日や季節など)を少しだけず
らせた写真や情報を提供することにより「未完了の観光」を創出し、リピータとし
てもう一度観光地を訪れてもらう方法を提案する。