5J-4
時系列間の影響波及の遅れを考慮した縮小推定による因果指標の拡張
○山下裕也,渋谷 崇,原田達也,國吉康夫(東大)
経済,脳科学などの分野において,予測や構造推定の為に時系列データ間の因果関係を推定することが行われている.ここで言う因果関係は,ある時系列の過去の変動が別の時系列の変動に影響を与えている事を指し,これに関して因果指標と呼ばれる手法が従来研究されてきた.因果指標には回帰に基づくものや情報量の移動に基づくもの等があるが,従来の手法ではある時系列の直近の変動が他の時系列に影響を与えていると仮定しており,影響の伝搬に時間差がある場合を考慮していない.また,単純に考慮する時間幅を増やした場合には計算が不安定になる.本研究ではモデルの推定に縮小推定を用いることによってこれらの問題を解決する.