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質問回答形式を用いた機能要求記述の解釈の齟齬の検出支援
○井上 渉(東工大),鵜飼孝典(富士通研究所/東京工業大学),林 晋平,佐伯元司(東工大)
本論文では、ステークホルダ間に生じる機能要求記述の解釈の齟齬
の有無を、ステークホルダへの質問とその回答をもとに判定する手
法を提案する。質問は要求に関連するオブジェクトの状態変化であ
る。まず事例分析により、自然言語で記述された機能要求記述の中
に出現する名詞が指すオブジェクトの状態の変化に対する齟齬が生
じ易いことが分かった。そこで、提案手法では記述に含まれる名詞
句をオブジェクトとして抽出し、機能の実行前後の各オブジェクト
の状態記述をステークホルダから収集する。要求分析者はこの回答
結果をもとに、ステークホルダ間の解釈に齟齬のある機能要求記述
を検出する。本手法を支援するツールを実装し、その有用性を評価
した。