No.42

情報システム論文執筆ワークショップ
~情報システムの論文を書こう~

3月10日 15:30-17:30

会場:第5イベント会場

講演者 Speaker

イベント司会

写真畑山 満則
京都大学 防災研究所 准教授

パネル司会

写真辻 秀一
東海大学 情報通信学部 教授

講演・パネリスト

写真阿部 昭博
岩手県立大学 ソフトウェア情報学部 教授

写真中森 眞理雄
東京農工大学 工学府 教授

写真神沼 靖子
当学会フェロー

写真金田 重郎
同志社大学 理工学部 教授

概要 Abstract

情報教育と情報システムの学問分野は,実践フィールドをベースとした理論と応用の上に成り立っている.この分野では,開発したシステムや事例研究を論文としてまとめるとき,論文の構成や評価の書き方について悩むことが多い.そこで,情報教育・情報システムに関する実務面での実績のある人,これから情報教育・情報シテム関連の研究をしようとする人を対象に,論文の書き方について考える.ここでは,論文の基本事項を確認し,ジャーナル論文と研究発表会の予稿集論文との違いについて説明し,事例研究を論文にする方法や評価・考察の仕方,実務データを抽象化する工夫などについて,講師とともに考える.

プログラム Program

15:30-15:45 講演(1):特集号の総括(IS)

阿部 昭博

論文誌「身近になる情報システム-理論と実践-」特集号が, 2010年2月に刊行される. これは, 2005年「情報システム論文」特集号以降,計6回目の情報システム(IS)関連特集号であるが, 依然, 採択率は低迷しており, 継続的な普及啓蒙による投稿論文の質向上が求められている.ここでは, IS関連特集号の歩みを概観したうえで, IS論文の特質について新規性,有用性, 信頼性の観点から再確認する.

15:45-16:00 講演(2):特集号の総括(CE)

中森 眞理雄

論文誌の情報教育特集号を編集した経験を基に,情報教育の研究成果を論文として執筆する上で心得ておくべきことを述べる.研究会発表と論文誌の違い,学術論文と作業報告書の違い,抽象的・普遍的な観点からの論じ方,客観的な評価方法,研究の位置づけの述べ方などを取り上げる.

16:00-16:40 講演(3):論文作成の課題

神沼 靖子

情報システム論文および教育論文の特集号編集委員の経験から,事例研究あるいは実践的研究を如何に論文化するかに焦点をあてて,論文作成における課題について考える.たとえば,不採択になる要因は何か,研究会発表論文とジャーナル論文のちがいは何か,論文執筆の基本事項・事例研究論文でよくある問題点・評価/考察の仕方・先行研究の調べ方などについて取り上げる.

16:40-17:30 パネル討論:検討課題の議論

参加者に課題を与え,パネリストと参加者による質疑討論を行う.

講演者略歴 Biography

畑山 満則
2000年東京工業大学大学院総合理工学研究科博士後期課程修了.博士(工学).02年京都大学防災研究所助手,05年より同助教授となり,現在に至る.阪神・淡路大震災時にGISを用いた復旧・復興支援活動を神戸市長田区において行い,以降,災害直後から利用可能な情報システムの構築を目指し,時空間GISの開発,GISの防災応用に関する研究に従事.2004年に山下記念研究賞を受賞.

辻 秀一
1969年大阪大学基礎工学部電気工学科卒業.1974年大阪大学大学院基礎工学研究科博士課程修了,工学博士.1974年~2000年,三菱電機(株)に勤務.この間,研究所および開発部門にて,ヒューマンインタフェースや人工知能システムなどの研究開発に従事.1997年~2000年,電子商取引実証推進協議会へ出向.電子商取引と情報セキュリティの研究に従事.2000年4月より東海大学に勤務.現在,情報通信学部組込みソフトウェア工学科教授.電子情報通信学会,人工知能学会,電気学会,IEEE各会員.

阿部 昭博
1985年図書館情報大学卒業. 同年(株)富士通東北システム. 1988~1998年松下電器産業(株). その間, 1996年筑波大学大学院経営・政策科学研究科修士課程修了. 1998年東京大学大学院総合文化研究科博士課程中退. 同年岩手県立大学ソフトウェア情報学部講師. 同助教授を経て, 2006年同教授. 博士(学術, 東京大学). GISやユビキタス技術を応用した地域情報システムの実践的研究に従事.

中森 眞理雄
1971年東京大学工学部計数工学科卒業.1977年同大学大学院工学系研究科計数工学専門課程修了.工学博士.同年東京農工大学工学部数理情報工学科講師.現在,同大学工学府情報工学専攻教授.本会CE研主査(2006~),MPS研主査(1995-1999).本学会フェロー.日本オペレーションズ・リサーチ学会理事(1997~1999,2005~2007),同フェロー.

神沼 靖子
1961年 日本鋼管KKに始まり,横浜国大,埼玉大,帝京技科大を経て,前橋工科大教授を2003年3月に定年退職.現在,情報システム教育のアドバイザ,企業における人材育成研修講師,書籍の執筆などに携わる.学術博士.情報システム学,高度IT人材の育成に興味をもつ.本学会フェロー.情報処理教育委員会,情報システム教育委員会,アクレディテーション委員会,初等中等教育委員会等のメンバー.

金田 重郎
1976年3月・京都大学工学部・電気第二学科卒業.1978年3月・同大学院工学研究科・修士課程電子工学専攻・修了.同年4月・NTT日本電信電話公社・武蔵野電気通信研究所・入所.NTT日本電信電話株式会社・横須賀研究開発センターを経て,1997年4月・同志社大学大学院・総合政策科学研究科・教授着任.現在は,同・工学研究科・教授.工学博士(京都大学),技術士(情報処理部門).情報システム開発方法論,データマイニングとその応用,ユビキタスサービスなどの研究に従事.