No.22

プログラミングコンテストにより情報系人材を育てる

3月10日 9:30~12:00,15:30~17:30

会場:第10イベント会場

講演者 Speaker

イベント司会

写真守屋 悦朗
早稲田大学 教育・総合科学学術院 教育学部 教授

講演・パネリスト

写真金寺 登
石川工業高等専門学校 電子情報工学科 教授

写真谷 聖一
日本大学 文理学部 教授

写真渡辺 治
東京工業大学 大学院情報理工学研究科 教授

写真前田 多可雄
会津大学 コンピュータ理工学部 准教授

写真筧 捷彦
早稲田大学 理工学術院基幹理工学部 教授

概要 Abstract

いくつもある高校生以下の生徒や高専の学生を対象とするプログラミングコンテストは,それぞれ実施方式やコンテスト内容が異なるものの,プログラミングによる課題解決を通して競い合うことにより若者に情報科学の魅力を伝え科学技術創造立国日本の将来を担う人材の育成を目的としている点は共通である.これらのプログラミングコンテストが一堂に会して,その活動をパネル展示やインターネット上でコンテスト実体験により紹介するとともに,コンテストの教育効果,将来展望などについてパネル討議を行う.参加するコンテスト:日本情報オリンピック,Supercomputing Contest(スーパーコン),全国高等学校パソコンコンクール(パソコン甲子園),全国高等専門学校プログラミングコンテスト,ICPC日本支部.

プログラム Program

9:30~17:30 資料・パネル展示,PCデモ

それぞれのプログラミングコンテストについてパネルや資料を展示する(PRパンフレット,募集要領,紹介DVDなど)とともに,PCを設置してインターネットに接続して各コンテストの過去問に自由にトライすることができるようにする.また,説明員が待機して,来訪者の質問に答える.

15:30~15:40 講演(1) 基調講演:科学技術系コンテストに期待するもの

文部科学省

文部科学省では,情報オリンピックをはじめする国際科学技術コンテストを支援している.日本の魅力である科学技術の次代の担い手を育てるための施策をご紹介するとともに,国際科学技術コンテストへの期待についてお話する.

15:40~15:50 講演(2):高専プロコンの紹介

金寺 登

高専生が日頃の学習成果を活かして情報処理技術におけるアイデアと実現力を競うことを目的に1990年に始まった「全国工業高等専門学校プログラミングコンテスト」の活動を紹介する.

15:50~16:00 講演(3):情報オリンピックの活動紹介

谷 聖一

1989年に始まった国際情報オリンピックに派遣する日本代表選手を選抜するために1993年に始まった「日本情報オリンピック」の活動を紹介する.

16:00~16:10 講演(4):スーパーコンの活動紹介

渡辺 治

高校生に東京工業大学(現在は大阪大学と共催)のスーパーコンピュータを使って,ある課題を解くためのプログラムを作って計算速度を競うという趣旨で1995年に始まった「Supercomputing Contest」の活動を紹介する.

16:10~16:20 講演(5):パソコン甲子園の活動紹介

前田 多可雄

高校生および高専の3年生までを対象として2003年に始まった「全国高等学校パソコンコンクール」(プログラミング部門だけでなく,デジタルコンテンツ部門・いちまいの絵CG部門がある)の活動を紹介する.

16:20~16:30 講演(6):ICPCの活動紹介

筧 捷彦

1970年に米国のテキサスA&M大学で開催されたコンテストが元になり,1977年からACMが主催している大学対抗のプログラミングコンテスト「International Collegiate Programming Contest」の日本における活動を紹介する.

16:40~17:30 パネル討論:情報系人材をプログラミングコンテストから育てるために

どのプログラミングコンテストにも共通の究極の目標は,広く若者たちに情報科学分野へ目を向けさせ,能力のある人材を見出してそのスキルをレベルアップする手助けをし,科学技術創造立国日本の将来を担う人材を育成しようとするところにある.過去を顧み,プログラミングコンテストが情報分野の人材育成にいかなる形で寄与できたかを検証するとともに,現状の問題点および将来の展望について討論する.

講演者略歴 Biography

守屋 悦朗
1970年 早稲田大学理工学部数学科卒業.電気通信大学,東京女子大学を経て,1995年より早稲田大学教育・総合科学学術院教授.理学博士.計算量理論,形式文法・オートマトン理論などの研究に従事.1990~1991年 米国・イリノイ大学客員教授.2000~2001年 カナダ・レイクヘッド大学およびドイツ・カッセル大学客員教授.NPO法人情報オリンピック日本委員会理事長.

金寺 登
昭58 石川高専卒.昭60 電通大・通信卒.昭62 東大大学院 修士課程了.

谷 聖一
1987年早稲田大学理工学部数学科卒業.博士(理学).現在,日本大学文理学部情報システム解析学科教授.研究分野は,計算量理論,アルゴリズム論など.最近は,計算論的位相幾何学,とくに,結び目の多項式不変量を決定するアルゴリズムの研究に取り組んでいる.(特非)情報オリンピック日本委員会専務理事.2005年~2009年国際情報オリンピック日本代表団団長.

渡辺 治
1982年3月東京工業大学修士課程修了.工学博士(東京工業大学1986年).1982年7月同大理学部助手.1987年~1989年カリフォルニア大 Key Fan 客員助教授.1997年東京工業大学大学院情報理工学研究科教授.2007年同大学術国際情報センターセンター長(兼務).現在に至る.専門は計算の理論.とくに計算の複雑さの理論,計算論的学習理論,乱択アルゴリズムの設計と解析.

前田 多可雄
1982年3月 北海道大学大学院数学専攻修士課程修了.1982年4月 日立製作所システム開発研究所勤務.1994年4月 会津大学企画運営室勤務.2006年4月~ 同大コンピュータ理工学部にて数学の教育に従事,現在に至る.パソコン甲子園では競技ルールの策定及び問題作成に参画している.2003年ICPC会津大会では実施委員として,2008年ICPC会津大会では実施委員長として,大会に参画した.

筧 捷彦
1970年東京大学大学院工学系研究科修士課程修了.東京大学助手,立教大学理学部講師・助教授を経て,1986年 から早稲田大学理工学術院教授(基幹理工学部情報理工学科).プログラミングおよびプログラム言語に関して研究教育を行う.本会フェロー,情報処理教育委員会委員長.日本学術会議連携会員.日本ソフトウェア科学会,ACM等会員.