No.60
3月10日 9:30-12:00
共催:電子情報技術産業協会
会場:第1イベント会場
イベント司会
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講演
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IT・エレクトロニクス技術は,高度な制御・管理による生産・流通・業務の効率化を通じて,あらゆる経済・社会活動の生産性向上,エネルギー効率 の向上を可能とし,環境負荷の低減に大きく寄与することが期待されているが,一方では,本格的なIT化に伴い,社会で扱う情報量は2025年には約200倍(06年比)になると見込まれている.
この情報爆発によってIT機器の数が大幅に増加するため,IT機器自身の省エネも重要な課題となっている.
本講演では,このIT機器自身の省エネ及びITによる省エネへの取り組みについて,産官学の立場から解説する.
9:30-10:10 講演(1):グリーンITイニシアティブの推進について
石黒 憲彦
社会のあらゆる分野で使われているIT機器は,省エネに貢献する大きな可能性を秘めている.グリーンITは,「IT機器自身の省エネ(of
IT)」と「ITによる社会の省エネ(by IT)」を両輪とする考え方に基づき,「産学官の連携強化」,「政策の展開」,「国際連携・協調」を3つの柱として推進されている.
世界においても地球温暖化対策への関心がますます高まる中,我が国が産学官をあげて取り組んでいるグリーンITについて,スマートグリッドを含め国内外の最新動向を紹介する.
10:10-10:50 講演(2):グリーンIT推進協議会の活動と企業のグリーンITへの取り組みについて
下村 節宏
地球温暖化問題は,世界全体で早急に取り組むべき最重要課題であり,経済・社会活動と地球環境の調和実現には,革新的な科学技術が必要と考えられている.こうした中,「ITの省エネ」及び「ITによる省エネ」で経済・社会活動と地球環境の調和の実現のために,昨年産学官のパートナーシップによるグリーンIT推進協議会が設立された.
本講演では,これまでの協議会の活動を紹介するとともに,三菱電機グループの環境経営における長期ビジョンである「環境ビジョン」や,最先端の技術を活用することによって拡大を目指す環境関連事業のうちグリーンIT関連事業について紹介し,三菱電機が目指す持続可能な社会のイメージを示す.
10:50-11:20 講演(3):ITの活用によるグリーンITへの取り組みについて
海堀 周造
日本におけるCO2排出量を分野別に見てみると,産業分野排出量は,1990年以来各産業界の省エネ及びCO2削減の努力により,増加が抑えられている.また,産業分野の中のIT部門の排出量は全体のわずか1.5%にしか過ぎない.一方,運輸部門,民生の業務部門,家庭部門のCO2排出量は,年々増加の傾向があり,ITを使ってこの領域のCO2排出量を削減することが,日本全体のCO2排出量を削減していくために重要となっている.本講演では,社会の様々なフィールドでエネルギー消費の削減に大きく貢献するITソリューションを紹介する.
11:20-12:00 講演(4):グーグルとスマートグリッド
村上 憲郎
『世界の情報を整理して,世界中の人がアクセスできて,使えるようにする』というミッションを掲げて,次々と新しいサービスを,それも無料で提供するグーグル.ここ数年は,IT産業全体を根本的に変革するかもしれないといわれる『クラウド・コンピューティング』という新しいコンピューティング・スタイルの提唱者・推進者としても,注目されている.さらに,オバマ政権の『グリーン・ニューディール』政策に寄り添う形で,『再生可能エネルギー』や『スマートグリッド』へのコミットメントを深めている.講演では,この3点の個々の内容と,それらの相互連関の必然性と整合性を,概説する.
長谷川 英一
昭和 55年 3月 東京大学工学部卒業
職 歴 昭和 55年 4月 通商産業省 入省
機械情報産業局 自動車課
昭和 56年 6月 機械情報産業局 産業機械課
昭和 58年 6月 機械情報産業局 電子機器課
昭和 60年 6月 科学技術庁 研究開発局 宇宙開発課
昭和 62年 6月 通商産業省 産業政策局 産業構造課
平成 元年 7月 日本貿易振興会 デュッセルドルフ・センター
平成 4年 6月 通商産業省 貿易局 総務課
平成 5年 6月 工業技術院 総務課
平成 6年 7月 工業技術院 国際研究協力企画官
平成 7年 6月 貿易局 貿易保険課情報システム室長
(併)企画室長
平成 9年 6月 日本貿易振興会 ニューヨーク・センター
平成 13年 1月 経済産業省 商務情報政策局
企画官(電子政府担当)兼 情報プロジェクト室長
平成 14年 7月 産業技術総合研究所 企画本部
総括企画主幹
兼次世代半導体研究センター副センター長
平成 16年 1月 経済産業政策局 地域技術課長
平成 18年 7月 東北経済産業局長
平成 19年7月 経済産業省大臣官房付 辞職
平成 19年7月 社団法人電子情報技術産業協会 常務理事
石黒 憲彦
昭和55年4月 通商産業省入省
平成6年5月 機械情報産業局情報産業企画官
平成8年6月 日本貿易振興会ニューヨーク・センター産業調査員
平成11年6月 産業政策局新規産業課長
平成13年1月 経済産業政策局産業構造課長
平成15年4月 経済産業政策局産業再生課長
平成16年6月 大臣官房総務課長
平成18年7月 大臣官房審議官(製造産業局担当)
平成19年7月 大臣官房政策評価審議官
平成20年7月 大臣官房審議官(経済産業政策局担当)
平成21年7月 商務情報政策局長
下村 節宏
1969年 3 月 京都大学工学部卒業
1969年 4 月 三菱電機株式会社入社
1999年 4 月 姫路製作所長
2001年 4 月 自動車機器事業本部長
2001年 6 月 取締役 自動車機器事業本部長
2003年 4 月 常務取締役 自動車機器事業本部長
2003年 5 月 常務取締役 ビルシステム事業本部長
自動車機器事業本部長
2004年 4 月 代表執行役 執行役副社長 ビルシステム事業本部長
2006年 4 月 代表執行役 執行役社長に就任
海堀 周造
慶應義塾大学 工学部 計測工学科 修士課程(1973年(昭和48年)3月卒)
1973年(昭和48年) 4月 (株)横河電機製作所(現・横河電機(株))入社
1995年(平成 7年)10月 伝送器事業部長
1997年(平成 9年) 7月 営業統括本部営業技術本部長
1999年(平成11年)10月 サービス事業部長
2000年(平成12年) 4月 Yokogawa Corporation of America 社長
2005年(平成17年) 4月 執行役員 IA事業部長
2006年(平成18年) 4月 常務執行役員 IA事業部長
2006年(平成18年) 6月 取締役 常務執行役員 IA事業部長
2007年(平成19年) 4月 代表取締役社長 就任
村上 憲郎
2003年4月,Google Inc. 副社長兼 Google Japan 代表取締役社長として Google に入社以来,日本における Google の全業務の責任者を務めて来た.2009年1月1日付けで退任し,名誉会長に就任.
Google 入社以前には,2001年に Docent の日本法人である Docent Japan を設立し,同社の社長としてe-ラーニング業界でリーダーシップを発揮した.
1997年から1999年の間は,Northern Telecom Japan の社長兼最高経営責任者を務め,Northern Telecomに買収された Bay Networks の子会社である Bay Networks Japanとの合併を成功に導いた.後にNortel Networks Japanと改名された同社において,2001年中旬まで社長兼最高経営責任者を務めた.
日立電子株式会社のミニコンピュータシステムのエンジニアとしてキャリアをスタートした後,Digital Equipment Corporation(DEC)Japanのマーケティング担当取締役などを歴任し,マサチューセッツの DEC 本社にも5年勤務した.京都大学で工学士号を取得.
著作
① 「知識ベースシステム入門」インフォメイションサイエンス社 1986年刊
② 「村上式シンプル英語勉強法」ダイヤモンド社 2008年刊
③ 「村上式シンプル仕事術」ダイヤモンド社 2009年刊