抄録
RL-002
インバウンド接続に適用可能なNATによるマルチホーム化手法
山口拓哉・金  勇・山井成良・岡山聖彦(岡山大)・中村素典(NII)
組織内ネットワークのインターネットに対する通信速度や耐障害性の向上を図る方法としてマルチホームネットワークが注目されている.その構成法のうちNATを用いた方法は導入・運用が容易で様々なプロトコルに適用できる利点を持つが,従来の方法では組織外から組織内へのNATルータ経由での接続に対して往復の経路が一致せず通信不能になるなどの問題があった.そこで本論文ではNATルータにおいてソースルーティング用のIPオプションを追加することにより往復の経路を一致させる手法を提案する.提案手法に基づいて試作したNATルータを試験運用した結果,往復の経路が一致し,またオーバヘッドも実用上問題ないことが確認された.