抄録
RG-002
海馬歯状回顆粒細胞の樹状突起における情報処理の解析
早川博章・上條中庸・福島康弘・相原 威(玉川大)
海馬歯状回顆粒細胞の樹状突起は嗅内野から空間情報と匂いなどの非空間情報の入力を受ける。これらの情報は樹状突起の遠位部と中位部にわかれて入力することが知られている。先行研究において空間情報を記憶する際に匂いを嗅がせると成績が向上することが報告されていることから、非空間情報が空間情報の処理に影響を与えている可能性がある。しかし海馬においてこれらの情報がどのように処理されているのかは分かっていない。本研究では歯状回顆粒細胞の樹状突起に入力される空間情報と匂いがどのように処理されているのかを生理実験により明らかにし、マルチコンパートメントモデルによるシミュレーション実験からそのメカニズムを示す。