抄録
I-065
デコーダでのseam位置推定を利用した画面アスペクトスケーラブル符号化
平野那由他・八島由幸(千葉工大)・早瀬和也・藤井 寛・如澤裕尚(NTT)
 画像の非線形リサイズに利用されるseam carvingを利用して,画面アスペクトスケーラビリティを再現する画像圧縮手法を検討した.本方式では,seam carvingによってリサイズされた非線形縮小画像をベースレイヤとし,削除されたseam情報を拡張レイヤとする.このとき,seam情報の効率的な符号化方式と,デコード側でseam情報から画像を合成する手法が重要となる.Seam位置情報は相関性が乏しく,大きな圧縮が期待できないことから,本論文ではseam画素値情報のみを拡張レイヤとして符号化し,seam位置情報をデコード側で推定するという新しい手法を提案し,従来手法に比べて画質を保持しつつ,情報量を低減できることを明らかにする.