抄録
I-062
マクロブロック間依存制約緩和によるGPU H.264動き推定の高速化
鷹野芙美代・森吉達治(NEC)
本稿では、H.264エンコーディングで負荷が最も高い動き推定のGPUによる高速化手法を報告する。数百以上のコアを持つGPUの能力を引き出すには処理の並列性向上とコア稼働率の向上が重要である。動き推定におけるベクトル予測は符号化効率向上に効果的だが、ブロック間の依存関係により処理の並列性を低下させる。そこで、符号化効率を維持しつつ高い並列性を得るためのブロック間依存制約緩和手法、GPU稼働率向上のための仮想スレッドブロック処理手法を提案する。提案手法により、参照エンコーダに対する符号量増加を平均3.5%に抑えつつCPU比20倍の高速化を達成し、フルHD画像を平均125fpsで処理可能となった。