抄録
I-028
画像復元型符号化における折り返し歪の適応付加
三須俊枝・松尾康孝・境田慎一・鹿喰善明(NHK)
従来の映像符号化の前に画像縮小、復号後に超解像を行うことにより画質劣化を抑える「画像復元型符号化」を提案している。複数フレーム超解像が画像縮小過程で織り込まれた折り返し歪から高域情報を復元する手法であることに着目し、符号化前処理の画像縮小時に折り返し歪を適応的に付加する仕組みを新たに導入した。複数枚超解像の効果が見込まれる動領域のみに折り返し歪を付加することで、復元画像への折り返し歪の残存を防ぎつつ精細感を向上できることが確認できた。本稿では、複数フレーム超解像と折り返し歪との関係を示し、折り返し歪の制御方法を定式化する。また、折り返し歪制御の有無による画質の違いを評価した実験の結果を示す。