抄録
G-022
視覚運動情報に対する予測と認知の関係の検討
三尾恭史・青山 敦・小山裕徳・川澄正史(電機大)
ヒトは日常の中で,視覚運動情報に対して予測を行う場面が多くあるが,予測を行うことが視覚認知にどのような影響を及ぼしているか明らかでない.本研究では,予測時の知覚準備や期待などを反映する脳成分SPNm(Stimulus Preceding Negativity)と,視覚認知を反映する脳成分P300mに着目し,ヒトの予測と視覚認知の関係を脳磁図計測装置を用いて検討した.実験では,手がかりに対応する運動変化を予測させ,結果に対し弁別を行わせる課題下において,予測に反する運動変化を20%で呈示した.単一試行毎にRMS(Root Mean Square)解析を行った結果,SPNmとP300mに正の相関がみられた.さらに,活動源解析を行い,視覚運動情報の処理機構を検討した.