抄録
G-014
心拍変動時系列を用いた敗血症性ショック予測
横田康成・河村洋子・松丸直樹・白井邦博(岐阜大)
心拍変動(Heart Rate Variability;HRV)は,自律神経活動の評価法として注目され,集中治療室(ICU)に入院中の患者の状態把握法の一つとしてHRVの利用が試みられている.しかし,ICUに入院中の患者においては,期外収縮,多段脈などの不整脈が多く,自動的に除去することが非常に困難である.本研究では,心拍変動の確率モデルを利用して,異常心拍とトレンドを自動的に除去し,自律神経由来の本来のHRVを分離・抽出する.敗血症性ショックを発症した患者に適用した結果,HRV時系列に発症を示す特徴的なV次パターンが観測された.敗血症発症の検知モニタとして実現の可能性が示唆される.