抄録
F-012
AHPにおける最良代替案判定関数を用いた一対比較の削減
但野友美・川村秀憲・鈴木恵二(北大)
人間の主観的な勘や経験等を数値化した意思決定支援手法にSaatyのAnalytic Hierarchy Process (AHP) がある.AHPは問題を階層構造に分解し,各レベルの項目間で親要素に対する一対比較を行い,全体の総合評価を算出する.そのため,代替案数が多くなると 一対比較の総数が増え,全ての対を比較することが困難となる.本研究では最良な代替案のみを求める場合に注目し,不完全な一対比較でも最適代替案が決定している場合が存在することを示す.また,重要度の一般解を用いた最良代替案判定関数を用い,意思決定者が一対比較を行う度に最良代替案が決定しているか判定することで,効率的に最良代替案を決定する手法として比較支援法を提案する.