抄録
F-011
色彩感情研究における主観的データのオントロジーに基づく記述
村松慶一(早大/日本学術振興会)・戸川達男・小島一晃・松居辰則(早大)
本研究は色彩研究における色彩感情に関する知見を記述するために,評定尺度と統計モデルに着目してオントロジーの構築を行った.具体的には,上位オントロジーに基づき,色彩感情が表出される評定尺度と尺度上の点を定義すると共に,その値が表現される統計モデルを定義した.これによって,統計モデルにおいて変数がどのような共通因子の影響を受けるかということが記述され,目的変数と説明変数が参照する属性値が明確に記述された.評定尺度によって測定される主観的データが記述されたことで,色彩感情に関する知識を理解する助けとなるだけでなく,それをコンピュータベースのシステムへ実装する際の概念の見通しが改善されたと考えられる.