抄録
E-014
基本周波数パターン生成過程モデルのフレーズ指令生起における感情の強弱の影響
宮坂直樹・政倉祐子・大野澄雄(東京工科大)
音声により感情情報を伝達する際に、それを表現する重要かつ主要な特徴といえる韻律上の各特徴量と感情情報との関係を明らかにすることにより、表現豊かな音声合成の実現を目指している。本稿では、韻律的特徴の中でも特に重要な役割を果たすと考えられるF0パターンに着目した。感情の種類として「喜び」、「悲しみ」を取り上げ、両感情を表現しやすいと考えられる2文節から6文節までで構成される同一テキスト文を複数用意した。これらのテキストに対し、中立な発話と、弱・中・強の3段階の程度で感情を表現した発話を分析対象とし、F0パターン生成過程モデルパラメータであるフレーズ指令の変化に関する検討を行った結果について述べる。