抄録
C-002
先行実行に基づく実行フェーズの削減に関する研究
下村佳生・三上烈史・小林良太郎(豊橋技科大)
近年のプロセッサでは,性能向上のため,プログラムの並列性を利用する.並列性は様々な依存関係によって制限されており,その中でも真の依存は解消するのが難しい.値予測と呼ばれる技術を使用すれば,この依存の解消が可能となる.値予測は,過去の実行結果に基づいてフェッチされた命令の実行結果を予測する.これにより,依存関係のある命令を並列に実行することが可能となる.我々は値予測を,命令のソース値についても予測するように拡張し,命令の先行実行を行う機構を提案する.先行実行をすることにより,命令の実行がスキップでき,命令の発行幅を抑制できる.評価の結果,従来の値予測機構に比べて,大幅な性能向上を達成できた.