抄録
A-008
効率よいVF符号化のための分節木を訓練する新手法
吉田諭史・喜田拓也(北大)
本稿では,VF符号に使用する分節木を訓練して圧縮率を向上させる方法について論じる.ここで議論するVF符号とは,分節木と呼ばれる木構造を用いて入力テキストを可変長のブロックに分割し,各ブロックに固定長の符号語を割り当てる情報源符号化法のことである.VF符号の圧縮率は分節木で決まるが,入力に対して最適な分節木を構築することは困難であることが知られている.また,符号化の際,いくつかのパラメータを与える必要がある.本稿では,最終的な圧縮率が向上するか否かで,分節木に含めるブロックを貪欲に決定する訓練手法を提案する.提案手法は,訓練する過程で各種パラメータを自動的に調整する.