FIT2011 第10回情報科学技術フォーラム 開催:2011年9月7日~9日 会場:函館大学
共催団体:一般社団法人情報処理学会/社団法人電子情報通信学会情報・システムソサイエティ/社団法人電子情報通信学会ヒューマンコミュニケーショングループ 一般社団法人情報処理学会 社団法人電子情報通信学会 情報・システムソサイエティ 社団法人電子情報通信学会 ヒューマンコミュニケーショングループ
イベント企画
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学習環境のクラウド化とパーソナル化
9月8日(木)15:30-17:30
第1イベント会場 (函館大学 2F大講義室262)
【セッション概要】大学における共通教育基盤として導入されてきた学習管理システム(LMS)は、これまで大学ごとに導入され維持管理されることが多かった。しかしながら、管理コストの低減や安定したサービス向上のために、学外のクラウドサービスを導入する大学も出てきている。また、特定分野における教育コンソーシアムでは、大学間で教育コンテンツを共有するために、大学に依存しない環境を利用している。その一方で、学習・教育環境は、学部・学科さらには個人ごとに異るために、同一組織内においても求められる機能が異なっている。さらに、個人の学習は大学以外でも継続することを考えると個人に適応した学習環境が必要になる。このような背景から、本パネル討論では学習環境のクラウド化とパーソナル化について討論する。
司会:竹村 治雄(大阪大学 サイバーメディアセンター センター長/教授)
【略歴】1987年大阪大学大学院基礎工学研究科博士後期課程物理系専攻単位取得退学。同年株式会社国際電気通信基礎技術研究所入社(ATR)、エイ・テ ィ・アール通信システム研究所勤務。1992年同主任研究員。1994年奈良先端科学技術 大学院大学情報科学研究科助教授。2001年より大阪大学サイバーメディアセンター情報メ ディア教育研究部門教授。2007年同センターセンター長。IEEE、ACM、電子情 報通信学会、情報処理学会各会員、日本バーチャ ルリアリティ学会、ヒューマンインタフェース学会各会員。工学博士(大阪大学)。
15:30-15:35 趣旨説明
15:35-15:50 講演-1 教育・学習環境のパーソナル化のためのPC必携化
藤村 直美(九州大学 大学院芸術工学研究院 教授)
【講演概要】九州大学では学習環境用のパソコンをこれまでレンタルで整備してきた。前回の更新では約500台のWindows PCをMacに切り替え、さらにプリンタを廃止することで約1000台のパソコンを整備した。しかしながらこの方法では、何時でも、何処でも、誰でも、自分のペースで自由に学習する環境を提供できないことが明らかになった。そこで2012年度からすべての学生にパソコン(Mac)を購入してもらい、2012年度の教育情報システムの更新ではパソコン部屋を整備せず、ソフトウェアなど、学生個人では購入しにくい部分の整備などに予算を集中することを計画している。
【略歴】1978年九州大学大学院単位取得満期退学後、九州大学、九州芸術工科大学を経て、現在、九州大学大学院芸術工学研究院教授、同大情報基盤研究開発センター教授(兼)。工学博士。九州大学総長特別補佐、 情報統括本部長、教材開発センター長、他の任務にあたる。情報処理学会、電子情報通信学会、IEEE、ACM 各会員。
15:50-16:05 講演-2 明治大学版VCLシステムの導入とその利用について
齋藤 孝道(明治大学 理工学部情報科学科 准教授)
【講演概要】本講演では、2010年に導入した学内利用向けプライベートクラウドシステムであるVCL(PC環境及びアプリケーション利用環境を配信するシステム)について、「導入者」および「利用者」という2つの視点から概観する。特に、本学におけるVCLの導入の背景に加え、大学の情報技術政策におけるその意義を確認し、導入時のシステム構成及び、昨年度実施したVCLを用いた講義について報告する。また、VCLを利用した講義を通して得た知見をもとに、教育現場におけるクラウドシステムの在り方を考察する。
【略歴】2005年に明治大学理工学部情報科学科助教授となり、現在、同学部同学科准教授。博士(工学)。情報処理推進機構・情報処理技術者試験委員。2011年度 情報処理学会・論文誌ジャーナル編集委員会 ネットワークグループ主査。
16:05-16:20 講演-3 静岡大学における学内情報システムのクラウド化とその効果
長谷川 孝博(静岡大学 情報基盤センター 副センター長/准教授)
【講演概要】静岡大学では2010年3 月にプライベートクラウドコンピューティングによる情報基盤が稼働を開始しました。クラウド全面適用化の構築段階においては、様々な課題と不安が山積していました。稼働開始から1 年が経過した今、総キャンパス構成員数12000人超、約80kmの距離を隔てた2つの主要キャンパスにおける大規模なクラウド全面適用の情報基盤において見えて来たクラウドの真価についてお話させて頂きます。学習環境におけるクラウド利用についての取り組みもご紹介致します。
【略歴】国立大学法人静岡大学にて7年間の情報基盤整備経験を持つ。2008年〜2010年にて、クラウド情報基盤の導入構築に携わる。MPIによる並列数値計算、WEBデータベース、安否情報システム、情報セキュリティ、キャンパスエコに関する研究活動を推進。著書に「ISMS実践講座」「進化するクラウド情報基盤」などがある。現在は学内統合認証システムの構築とクラウド情報基盤の統合化に従事。
16:20-16:35 講演-4 東海アカデミッククラウドの実装と課題
松尾 啓志(名古屋工業大学 情報工学科 教授)
【講演概要】近年、コースマネージメントシステム、教務システム、ポータルフレームワーク、ICカード出欠システムなど、大学運営に関わるさまざまなシステムがオープンソースとして提供されつつある。各大学は独自の修正などを加えた後、学内で運用しているのが現状である。しかし、これらの開発・運用は、従来情報処理教育や学内LANの運営に携わってきた組織に任されることが多く、基盤となるシステムの運用は多大な負担となっている。一方、クラウド技術の発展に伴い、サーバーやソフトウエアシステムを導入・運用するのではなく、サービスの提供を受ける形が一般的となりつつある。大学運営に必要なさまざまなシステムも、すべての大学に必要な機能は、ほぼ同一であるため、例えば教務システムを各大学で共同開発・共同運用すれば、学内業務のICT化の維持コストは激減するとともに、"フィールド情報学”の研究プラットフォームともなり得る。このような目的から、平成22年度より東海地区の6つの国立大学から情報基盤を運用する組織が集まり、東海アカデミッククラウドプロジェクトを開始した。本発表では、東海アカデミッククラウドの開発状況について報告するとともに、プロジェクトを遂行する上で見えてきた課題についても報告する。
【略歴】1989年名古屋工業大学大学院電気情報工学専攻修了。同年、名古屋工業大学電気情報工学科助手。講師、助教授を経て2003年名古屋工業大学電気情報工学科教授。現在、情報工学科教授、付属図書館長、情報基盤センター長、全学情報システム統括責任者(CIO)補佐。
16:35-16:50 講演-5 クラウド時代における教育学習情報環境と標準化
梶田 将司(名古屋大学 情報連携統括本部情報戦略室 准教授)
【講演概要】高等教育機関における情報環境整備は、集中化による費用対効果の向上を目指して、学内に散在してきた計算機資源の共通化・集約化がはじまっている。この流れは、現在のクラウドコンピューティングの流れと同期する中で、IaaSレベルでの学内プライベートクラウドの構築やパブリッククラウドの利用が模索されている。今後、PaaS や SaaSレベルへとその流れが拡大する中で、コース管理システムやeポートフォリオシステム等の教育学習活動を支える情報環境も共通化・集約化が進むと考えられるが、その過程で如何に多様な教育学習現場を支えるものにできるかは極めて重要なポイントである。そこで、本報告では、標準化の観点から教える立場の教員や学ぶ立場の学生の自由度をそれぞれ高める可能性がある現在の動向を述べる。
【略歴】名古屋大学情報連携統括本部情報戦略室・准教授。専門は情報基盤工学・フィールド情報学・メディア情報学。特に、様々な学問分野の人々が多様な活動を行う大学を「研究フィールド」と位置づけ、大学における教育・学習活動や学術研究活動を情報技術により質的転換するための研究開発・実践活動を行うことにより、実際の社会生活を豊かにする新しい情報技術や利用技術の実現・普及を目指している。工学博士。
16:50-17:30 パネル討論
司会:竹村 治雄(大阪大学 サイバーメディアセンター センター長/教授)
【略歴】1987年大阪大学大学院基礎工学研究科博士後期課程物理系専攻単位取得退学。同年株式会社国際電気通信基礎技術研究所入社(ATR)、エイ・テ ィ・アール通信システム研究所勤務。1992年同主任研究員。1994年奈良先端科学技術 大学院大学情報科学研究科助教授。2001年より大阪大学サイバーメディアセンター情報メ ディア教育研究部門教授。2007年同センターセンター長。IEEE、ACM、電子情 報通信学会、情報処理学会各会員、日本バーチャ ルリアリティ学会、ヒューマンインタフェース学会各会員。工学博士(大阪大学)。
パネリスト:藤村 直美(九州大学 大学院芸術工学研究院 教授)
【略歴】1978年九州大学大学院単位取得満期退学後、九州大学、九州芸術工科大学を経て、現在、九州大学大学院芸術工学研究院教授、同大情報基盤研究開発センター教授(兼)。工学博士。九州大学総長特別補佐、 情報統括本部長、教材開発センター長、他の任務にあたる。情報処理学会、電子情報通信学会、IEEE、ACM 各会員。
パネリスト:齋藤 孝道(明治大学 理工学部情報科学科 准教授)
【略歴】2005年に明治大学理工学部情報科学科助教授となり、現在、同学部同学科准教授。博士(工学)。情報処理推進機構・情報処理技術者試験委員。2011年度 情報処理学会・論文誌ジャーナル編集委員会 ネットワークグループ主査。
パネリスト:長谷川 孝博(静岡大学 情報基盤センター 副センター長/准教授)
【略歴】国立大学法人静岡大学にて7年間の情報基盤整備経験を持つ。2008年〜2010年にて、クラウド情報基盤の導入構築に携わる。MPIによる並列数値計算、WEBデータベース、安否情報システム、情報セキュリティ、キャンパスエコに関する研究活動を推進。著書に「ISMS実践講座」「進化するクラウド情報基盤」などがある。現在は学内統合認証システムの構築とクラウド情報基盤の統合化に従事。
パネリスト:松尾 啓志(名古屋工業大学 情報工学科 教授)
【略歴】1989年名古屋工業大学大学院電気情報工学専攻修了。同年、名古屋工業大学電気情報工学科助手。講師、助教授を経て2003年名古屋工業大学電気情報工学科教授。現在、情報工学科教授、付属図書館長、情報基盤センター長、全学情報システム統括責任者(CIO)補佐。
パネリスト:梶田 将司(名古屋大学 情報連携統括本部情報戦略室 准教授)
【略歴】名古屋大学情報連携統括本部情報戦略室・准教授。専門は情報基盤工学・フィールド情報学・メディア情報学。特に、様々な学問分野の人々が多様な活動を行う大学を「研究フィールド」と位置づけ、大学における教育・学習活動や学術研究活動を情報技術により質的転換するための研究開発・実践活動を行うことにより、実際の社会生活を豊かにする新しい情報技術や利用技術の実現・普及を目指している。工学博士。