FIT2011 第10回情報科学技術フォーラム 開催:2011年9月7日~9日 会場:函館大学
共催団体:一般社団法人情報処理学会/社団法人電子情報通信学会情報・システムソサイエティ/社団法人電子情報通信学会ヒューマンコミュニケーショングループ 一般社団法人情報処理学会 社団法人電子情報通信学会 情報・システムソサイエティ 社団法人電子情報通信学会 ヒューマンコミュニケーショングループ
イベント企画
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やさしく分かる機械学習の最前線 ~データから意味を読み取る~
9月7日(水)9:30-11:50
第1イベント会場 (函館大学 2F大講義室262)
【セッション概要】観測データのよりよい扱い方を求めて悩む全ての皆様を対象とした、やさしく分かる機械学習のチュートリアル企画です。機械学習技術は、画像、自然言語、音楽、自動システムログ、生命情報などを扱う多くの研究分野に応用の幅を拡大し続けています。日々産み出される大量のデータの裏に隠れる「意味」を見出したいというニーズは、科学技術に関わるあらゆる分野に共通するものであるからです。しかし、機械学習の方法は高度な数理統計理論や計算技術に支えられており、理解して使用するまでに至るハードルの高いものと思われがちです。
そこで本チュートリアル企画では、機械学習応用の威力を世界に示し続けている気鋭の若手研究者3名に「データから意味を読み取る」をテーマにわかりやすく話してもらいます。大規模実データを目の前にして、何を考えればよいかに悩む実務家、学生の方々に、機械学習応用への入り口を見つけてもらうことを狙います。
司会:大羽 成征(京都大学 情報学研究科 講師)
【略歴】京都大学大学院情報学研究科システム科学専攻講師。2002年 奈良先端大情報学研究科博士後期課程修了。博士(工学)2003年同助手。2008年より現職。2008年よりJSTさきがけ研究者兼任。統計的バイオインフォマティクスとくに超多重検定とその応用に興味を持っている。電子情報通信学会、情報処理学会各会員。
9:30-9:35 オープニング
9:35-10:20 講演-1 隠れた構造をあぶりだす ~トピックモデルを用いた潜在意味解析~
岩田 具治(NTTコミュニケーション科学基礎研究所 研究員)
【講演概要】私たちのまわりには膨大な情報があふれており、その中から有益な知識を取り出すことは、重要な研究課題となっています。トピックモデルを用いることにより、重要で特徴的な構造を発見し理解することが可能になります。トピックモデルとは、文書が潜在意味(トピック)に基づいて生成される過程を表現した確率モデルです。本講演では、基本となるモデルについて解説した後、トピックモデルを用いた時系列文書、ソーシャルデータ、ファッション画像等の解析について紹介します。
【略歴】2001年 慶大・環境情報卒。2003年 東大大学院・総合文化修士課程了。同年NTT入社。2008年 京大大学院・情報学博士課程了。博士(情報学)。現在, NTTコミュニケーション科学基礎研究所研究員。機械学習、データマイニング、情報可視化の研究に従事。2004年 船井ベストペーパー賞、2009年 情報処理学会論文誌論文賞等受賞。電子情報通信学会、情報処理学会各会員。
10:20-11:05 講演-2 こんなに使える最適化手法
梅谷 俊治(大阪大学 情報科学研究科 准教授)
【講演概要】最近、産業や学術における多くの現実問題が最適化問題として定式化できることが認識されるようになり、大規模かつ複雑な最適化問題を現実的な計算時間で解く需要が急速に高まっています。一方で、最適化手法の進歩と計算機の性能向上が相まって、これらの計算困難な最適化問題が現実的な計算時間で解けるようになり、最適化手法はその応用範囲と規模を拡大し続けています。本講演では「こんな問題が本当に最適化手法で解けるの?」と思うようないくつかの現実問題に対する最適化手法の取り組みを通じて、近年の最適化手法の広がりと深まりを紹介させていただきます。
【略歴】大阪大学大学院情報科学研究科准教授。博士(情報学)。2002年京都大学大学院情報学研究科数理工学専攻指導認定退学。豊田工業大学助手、電気通信大学助手、同助教を経て、2008年より現職。2010年より科学技術振興機構さきがけ研究員を兼任。主に組合せ最適化とアルゴリズムの研究とそれらの手法の現実問題への適用に興味を持つ。情報処理学会、日本オペレーションズ・リサーチ学会、INFORMS(Institute for Operations Research and the ManagementSciences)、MPO(Mathematical Optimization Society)各会員。
11:05-11:50 講演-3 自然画像の事前確率分布を応用した画質改善
田中 正行(東京工業大学 理工学研究科 准教授)
【講演概要】近年、MAP法(事後確率最大化法)に基づく画質改善処理が多数提案されている。MAP法においては、自然画像の事前確率分布モデルが大きな鍵となる。事前確率分布モデルとして、古くから、隣接2画素の関係を利用したMRF(マルコフランダムフィールド)モデルが利用されてきたが、近年では、複数の画素間の関係を同時に考慮したパッチベースMRFモデルが盛んに研究され、高い評価を得ている。
本発表では、まず、我々が行ってきた研究事例を紹介しながら、自然画像の事前確率分布に基づくMAP法の有効性を示す。次いで、パッチベースMRFモデルを概説し、パッチベースMRFモデルの局所適応的学習について、紹介する。
【略歴】2003年東京工業大学大学院理工学研究科博士課程修了、同年アジレント・テクノロジー株式会社 入社。2004年東京工業大学 研究員、2008年東京工業大学 准教授、現在にいたる。コンピュテーショナルフォトグラフィ、統計画像処理などの研究を行う。2005年MIRU長尾賞(最優秀論文賞)、2009年船井情報科学奨励賞,2010年画像電子学会 優秀論文賞、他。