今年で情報科学技術フォーラム(Forum on Information Technology)も3回目を迎え、情報分野の日本における最大の学会大会として広く定着して来た感がある。情報科学技術レターズ(Information
Technology Letters)も、大会論文に査読を取り入れることにより、情報分野の論文投稿の門戸を広げ、分野全体の研究発表の質を高めようとする試みとして、広く認知されて来ている。
今年より、大会の名称である情報科学技術フォーラムに合わせて、旧来の「情報技術レターズ」の名称が「情報科学技術レターズ」に改められたことに注意されたい(英語名称はそのままである)。これは、本フォーラムが基礎から応用に至る情報の幅広い分野をカバーしていることを示唆するものである。名称変更と同時に、装丁も他の論文集と区別して、明るく華やかなものに改められた。今後、本レターズが情報分野で広く購読されることを期待している。
また、本フォーラムの活動を担っている研究会からの強い要望により、大会論文の査読にそぐわない分野に関しては、一般論文の受け付けのみとした。逆に、査読論文を受け付ける分野に関しては、大会論文の最大ページ数を4に増やすことにより、査読プロセスの質をより高めることにした。
査読論文を受け付ける分野や各分野における研究会構成など、今後も変更の可能性はあるが、各研究会の努力により、査読プロセスの運営は非常に安定して来た感がある。残念ながら、査読論文を受け付けない分野ができたこともあり、昨年に比べて投稿論文の数は減ったが、採択された論文の質は極めて高いものとなった。今後も、本レターズが、情報分野における論文発表の入門的な場として、ますます定着して行くことを願っている。
各分野の投稿数、採択数、採択率は以下の通りである。 |