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ホーム学会案内名誉会員・フェロー情報処理学会フェロー平成15年度>フェローの紹介
最終更新日:2004.3.10

平成15年度情報処理学会フェローの紹介

 

 本会では,情報処理および情報通信等の分野で貢献された会員の方々に対し,その貢献を称えるとともに,その貢献がより多くの方々に周知され社会的認知度を高めることを目的として,フェロー制度を設けております.

 制度の内容は,前述の目的に基づき,当該分野で学術的または産業的発展・普及・振興などに著しい貢献をされた会員の方に「情報処理学会フェロー」の称号をお贈りするものです.

 平成15年度「情報処理学会フェロー」は,関連規程に基づき,選定委員会(委員長:木村泉)において厳正な審査を行い,下記の9君(掲載は氏名五十音順)が第493回理事会(平成16年1月)の承認を得て決定されました.なお,9君には,第66回全国大会フェロー認証式(平成15年3月9日)において,認証状およびバッジが授与されました.

 



石田喬也

石田 喬也 君(正会員)

[対象業績]  「インターネット社会の世界的枠組策定に関する国際貢献」

 1966年3月大阪大学工学研究科修士課程修了(応用物理学専攻),同年4月三菱電機(株)入社,情報システム研究所副所長,開発本部技師長を経て2002年より開発本部顧問.OECD/BIACの 1998〜2003年情報通信政策委員会副委員長,2001年より産業技術委員会委員長.2003年3月 BIAC Excellence Award受賞,同年11月藍綬褒章受章.2001〜02年本会理事,本会第64回全国大会プログラム委員長,本会生涯教育委員会委員長.IEEE Software誌 Industry Advisory Board委員,ACM日本支部役員.

[業績推薦理由]
 石田喬也君は,BIAC(OECD経済産業諮問機関) のパリ本部において7年余りに渡りOECD加盟 30ヵ国の経済産業界全体を代表する役割を担っており,情報通信政策委員会副委員長,技術産業委員会委員長を歴任している.その立場から電子商取引や情報セキュリティに関するインターネット社会の世界的枠組策定のためのOECDの活動に中心的に参画し,世界の経済産業界全体としての意見を直接反映せしめてきた業績は極めて顕著である.昨年3月にはこれらの功績を評価されてBIAC Excellence Awardを歴代8人目、日本人としては初めて授与されている.

 

岡本栄司

岡本 栄司 君(正会員)

[対象業績]  「暗号と情報セキュリティの研究開発,発展および普及に関する貢献」

 1978年東京工業大学理工学研究科博士課程修了.工学博士. 日本電気(株)中央研究所,北陸先端科学技術大学院大学情報科学研究科,東邦大学理学部を経て2002年から筑波大学電子・情報工学系教授.現在に至る. 本会ベストオーサ賞,電子情報通信学会論文賞等受賞.「暗号理論入門」等著書 および論文多数.本会CSEC研究会主査.本会論文誌編集委員.電子情報通信学会情報セキュリティ専門研究委員会委員長,情報理論とその応用学会理事および評議委員等歴任.

[業績推薦理由]
 岡本栄司君は20年以上前にわが国で学術的に最初に暗号と情報セキュリティの研究を始めた研究者の一人で, その後現在に至るまで,この分野の研究とその発展に貢献してきた.特に,大きな研究業績は,暗号・認証方式の研究,ソフトウェアセキュリティの研究,ネットワークセキュリティ対策の研究等である.アジア やオセアニアの暗号研究の発展, 国際的な情報セキュリティ発展に尽力した.さらに,有志とともに本会CSEC研究会を発足,セキュリティの国際会議や国際学術論文雑誌を創始するなど,本分野に様々な形で意欲的に貢献した.

 

神沼靖子

神沼 靖子 君(正会員)

[対象業績]  「情報システム(IS)領域の教育体系の構成とその始動への貢献」

 1938年生まれ.1961年東京理科大学理学部数学科卒業,学術博士(1999年). 1961年日本鋼管に入社し,造船設計におけるコンピュータ処理に携わる.その後,横浜国立大学,埼玉大学の助手を経て,1987年より帝京技術科学大学助教授,さらに教授へ.1997年より前橋工科大学教授となり,2003年3月に定年退職する.現在,埼玉大学大学院文化科学研究科博士課程非常勤講師などに従事. 1963年に情報処理学会入会し現在に至る。

[業績推薦理由]
 情報システム領域は,情報処理分野において,その人材養成が社会的に強く求められている領域の一つでありながら,これまで大学での教育カリキュラムが十分には用意されてこなかった.神沼氏は,情報システム領域を対象として,大学教育における標準カリキュラムの策定から,アクレディテーションでの領域設定・審査試行まで,また,社会人スキルアップにおけるITスキルスタンダードの策定から,その普及および教科書著作・セミナー実施などの教育の実践まで,広範な情報システム領域教育体系の構成とその始動に大きく貢献した.

 

喜連川優

喜連川 優 君(正会員)

[対象業績]  「データベースシステムの高性能化に対する貢献」

 1978年東京大学工学部電子工学科卒,1983年同大学工学系研究科情報工学専攻博士課程修了,工博. 同大生産技術研究所助教授(1984)を経て,現在同教授.同所戦略情報融合国際研究センター長.本会理事(03-04),VLDB Trustee(96-02),ACM SIGMOD Japan Chapter Chair(99-03),IEEE TCDE Asian Coordinator,電子情報通信学会データ工学研究専門委員会委員長(97-98).SNIA-J顧問.FIT船井ベストペーパー賞,電子情報通信学会論文賞受賞.IEEEデータ工学国際会議プログラム委員長(99),同会議委員長(05).

[業績推薦理由]
 喜連川優君は情報基盤技術としてのデータベースシステムの高性能化の研究を進め,並列データベース処理方式,高速データベース演算ハードウエア,高機能ストレージ等に関し先駆的,且つ顕著な研究業績を挙げた.データベース分野を代表する3つの掲載基準の高い国際会議(VLDB,IEEE ICDE, ACM SIGMOD)に数多くの論文を発表し,当該分野の発展に貢献した.成果の一部は実用化されており,理論と実際の両面で大きな貢献をしてきている.最近は並列データマイニング,大規模ウェブマイニング等,高性能データベース処理系が不可欠な先進的研究を推進している.

 

鹿野清宏

鹿野 清宏 君(正会員)

[対象業績]  「大語彙連続音声認識の研究開発とその普及活動」

 1947年岐阜生まれ.工博.1972年名古屋大大学院修士課程了.同年電電公社武蔵野電気通信研究所入所.1984〜86年カーネギーメロン大客員研究員.1986〜1990年ATR自動翻訳電話研究所音声情報処理研究室長.1992年NTTヒューマンインタフェース研究所主席研究.1994年より奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科教授.音情報処理学講座を担当.主として音声・音情報処理の研究および研究指導に従事.昭和50年電子通信学会米沢賞,平成3年IEEE SP 1990 Senior Award,平成6年日本音響学会技術開発賞,平成12年情報処理学会山下記念研究賞平成13年VR学会論文賞.

[業績推薦理由]
 鹿野清宏君は,音声認識の黎明期である1970年代から,NTT・ATR・カーネギーメロン大学・奈良先端大などで音声認識の研究および大語彙連続音声認識技術の普及活動に精力的に取り組んできた.とくに,ATRでの音声研究の立ち上げ,情報処理学会をベー スとした大語彙連続音声認識用データベースWG,IPAプロジェクト,連続音声認識コンソーシアムでの活動などにより,大語彙連続音声認識技術の研究開発および普及に大 きく貢献しており,その業績は高く評価される.

 

富田悦次

富田 悦次 君(正会員)

[対象業績]  「形式言語理論・学習理論および組合せ最適化問題に関する研究」

 1966年東京工業大理工学部電子工学科卒業,1971年同大学院電子工学専攻博士課程修了.工学博士.同年東京工業大学工学部助手.1976年より電気通信大学電気通信学部通信工学科助教授,教授,同電子情報学科教授を経て,現在,同情報通信工学科教授.本会会誌編集委員会主査,論文誌編集委員,数理モデル化と問題解決研究会主査,等を経て,現在コンピュータサイエンス領域委員会委員長.船井情報科学振興賞受賞.電子情報通信学会フェロー.

[業績推薦理由]
 富田悦次君は,決定性文脈自由言語の等価性判定問題に関して全く新規な統一的解法を考案し,それを更に多くの問題解決に展開された.計算論的学習理論についても,非常に早い段階から新しい学習アルゴリズムを提唱されてきている.更に,組合せ最適化問題の内でも特に重要な最大クリーク抽出問題に関し,世界に先がけ格段に高速なアルゴリズムを開発し,それを幾つかの実問題解決の共同研究に応用して顕著な成果を上げられている.教科書「オートマトン・言語理論」(共著,森北出版)や学会活動によっても,情報処理分野発展に多大の貢献をされた.

 

西関陸夫

西関 陸夫 君(正会員)

[対象業績]  「グラフアルゴリズムに関する研究と日本のアルゴリズム分野の国際化に対する貢献」

 1974年東北大学大学院博士課程修了.工学博士.同年東北大学工学部助手, 1976年同助教授.1988年同教授.1993年同大学院情報科学研究科教授,現在に至る.本会アルゴリズム研究会主査(1990-91年度),30周年記念論文賞 (1990年).電子情報通信学会情報システムソサイエティ副会長(1995-96年度),コンピュテーション研究専門委員会委員長(2000-01年度), 国際会議ISAACのAdCom委員長,Algorithmicaなどの学術専門誌編集委員,ACMフェロー,IEEEフェロー.

[業績推薦理由]
 西関隆夫君はアルゴリズム研究における世界的な主導者の一人である.特にグラフアルゴリズム理論への貢献は顕著であり,平面グラフや部分k木など構造化 されたグラフにおけるアルゴリズム理論とグラフ描画理論という二つの大きな新規分野を開拓し、国際的研究分野への育成を主導した。 更に,アルゴリズムと計算理論国際会議(ISAAC),グラフ描画国際会議などの国際会議シリーズを新規に立ち上げ,世界的に計算機科学の振興に著しい貢献を行った.また,本学会アルゴリズム研究会の創設に尽力するなど,日本におけるアルゴリズム分野の発展において中心的役割を果たしている.

 

藤原秀雄

藤原 秀雄 君(正会員)

[対象業績]  「論理設計論・設計自動化に関する先駆的研究」

 1974年大阪大学工学研究科博士後期課程修了.工博.大阪大学工学部助手,明治大学教授を経て,1993年より奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科情報処理学専攻教授.この間,ウォータールー大学,マッギル大学客員,奈良先端大評議員.コンピュータの設計とテスト,VLSI設計自動化,フォールトトレランスの研究に従事.現在,IEEE Computer Society Asia and Pacific TTTC Chair,IEEE関西支部理事,等IEEE フェロー,電子情報通信学会フェロー.

[業績推薦理由]
 藤原秀雄君は、長年にわたり論理設計論ならびに設計自動化に関する研究分野 において数多くの研究業績をあげ、いずれも先駆的な研究として世界的に高く評価されている.IEEE Trans. on Computers誌に発表したテスト生成アルゴリズム (FANアルゴリズム)は学界,産業界で高く評価され,LSIのテスト生成技術の発展に大いに貢献した.1989年に42歳の若さでIEEEからFellowの称号を授与され,その後も,永年にわたる情報工学分野の研究業績に対し,IEEE Computer SocietyからGolden Core
Member Award,Outstanding Contribution Award,等の多くの賞を受賞しているなど,この分野の世界の第1人者である.

 

宮部博史

宮部 博史 君(正会員)

[対象業績]  「オペレーティングシステム技術の実用化および学会運営への貢献」

 1980年3月東北大学大学院工学研究科博士課程修了.工学博士.同年4月日本電信電話公社(現NTT)入社.以来,OS,リアルタイムOS,ソフトウェアアーキテクチャの研究開発・標準化に従事,2003年7月よりNTTサービスインテグレーション基盤研究所所長(現職).2000年4月〜2002年3月本会マルチメディア通信と分散処理(DPS)研究会主査,2002年5月より本会電子化担当理事.

[業績推薦理由]
 宮部博史君は,オペレーティングシステム(OS)技術の実用化に多大な貢献をした.具体的には大規模オンラインシステム向けOSの会話処理系と実時間処理系とを一本化する新しいOS体系を提唱・実用化し,さらに,通信用OSとしてマルチベンダ環境での移植性とリアルタイム性のあるOSの仕様策定とその普及に努めた.また,その元になったCTRONの仕様策定・普及にも尽力した.また,本会DPS研究会主査として関連研究分野の活性化に貢献するとともに,現在,本会電子化担当理事を務めており,本会運営にも多大な貢献をしている.